一晩で1.5キロ減――体が軽くなる朝
2日目の朝、雪の露天風呂。体重計は1.5キロ減を示した。単なる減量ではない。むくみが抜け、体液が整った証だ。続くニンジンジュースは、免疫効果の目覚ましベルだった。
〈医師コメント:栄養学〉
体重変化は主に浮腫改善であり、野菜ジュースは腸管機能を穏やかに刺激する。
石原新菜副院長――温活の医学
新菜先生は語った。「冷えは万病の元」。生姜、腹巻き、入浴、呼吸――血流改善の理にかなう教えだ。私は頷いた。説得力があった。
〈医師コメント:東洋医学〉
体温上昇は免疫活性を高め得る。温活は補完療法として有用である。
石原結實院長の一言――歴史的評価
診断後、石原結實先生は静かに言った。過去にあったステージ4における闘病の事例を「超える症例の結果だ」。
社交辞令ではない。標準医療と生活医学を結ぶ新世代モデルとしての評価だった。私は知っている。これは奇跡ではなく、戦略と規律の帰結である。
〈医師コメント:総合内科〉
本症例は標準治療を軸に生活医学で回復力を高めた先進例であり、歴史的比較は妥当である。
快気祝い――言葉が灯した火
伊豆高原で、石原結實先生から快気祝いをいただいた。「よくここまで来たね」と穏やかな声。だがそこには医師の厳しい目と、長年の洞察があった。先生は言った。
「これは奇跡ではない。あなたの気力と胆力ががんに打ち勝った。医療は道具にすぎない。最後に決めたのは、あなた自身だ」
胸の奥が熱くなった。抗がん剤、12時間手術、ドレーン、肺手術――すべてが一本の線でつながった。私は運が良かっただけではない。怯えながらも逃げず、数値を読み、体を整え、眠りを守り、人生に責任を持って闘った。杯を手に、静かに思った。
「まだ終わっていない。だが、ここまで来られたのは確かだ。」
3月――第5の戦線へ
残るは右肺転移腫瘍。数字は重いが、私は怯えない。抗がん剤、3度の切除、ドレーン、リハビリ、半断食、睡眠再建――すべてはこの一戦のためだった。
がん闘病に奇跡はない。あるのはエビデンス、技術、規律、そして意志である。商社マンとしてリスクを読み、勝ち筋を探してきた経験は、ここでも生きた。全ての手術を越え、最後の右肺手術へ――私は静かに、確実に進む。
エンディング――灯りは消えない
快気祝いの席で、湯気の向こうに伊豆の夜が揺れていた。杯の中の酒が、手のぬくもりを伝えた。私は悟った。闘病とは、死に抗うだけの戦いではない。生き方を鍛える旅でもあった。
3月の手術へ向かう道は続く。だが私は迷わない。体は整い、心は静かだ。この快気祝いは、勝利の宴ではなく、次の戦いへの通過儀礼だった。そしていつか孫たちや友人に語りたい。
「山師のガンファイターは、最後まで逃げなかった」
その言葉を胸に、私は歩く。傷だらけでも、背筋を伸ばして。恐れがあっても、前を向いて。灯りはまだ消えない。私は、まだ行く。
