2026年2月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年2月23日

 カナダのカーニー首相は、「中堅国」が同盟網を通じて協力し、一定のルールや制度を維持し、貿易と安全保障を守るための構想を示した。欧州はトランプに対抗し、自らの強靭性強化の必要性を認識し始めたという心強い兆しを見せた。だが危険なのは、危機が後退すれば安易な自己満足に陥ってしまうことだ。

 大事なことは、カーニーの言葉を借りれば、「破裂は起きている」ということだ。古い秩序は既に消え去り、そして二度と戻っては来ない。

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なぜ、米欧は陰湿な批判を続けるのか

 この社説は、1月のダボス後の世界の状況につき、①グリーンランドや対欧軽蔑等につき欧州が強く反攻の姿勢を見せ、トランプが「一歩譲歩」したのは「朗報」だ、②しかし、「危機が後退すれば安易な自己満足に陥ってしまう」のが従来の欧州の例だ、③カーニーの言葉を借りれば、「破裂は起きている」、「古い秩序は既に消え去り、そして二度と戻っては来ない」ということだと主張する。

 社説が、トランプは「いずれ深刻な誤りを犯すかもしれないし、その代償は世界の他の国々が支払うことになるだろう」と述べるのも印象的だ。それは既に起きている。

 しかし、カーニーは何が破裂していると言うのか。同盟の側面には、安保、経済、政治など幾多の重要な側面があるが、カーニーのいう「破裂」は恐らくこれらの諸側面の土台となる「信頼」が「破裂していること」に危機感を抱いているのだろう。それは理解できる。

 カナダはトランプの無神経な言動に傷ついている。カナダのカーニーが、古い秩序は返ってこないというのは、「今や米国への信頼を無くした」と言うのであろう。

 歴史や文化を共有する米欧は、なぜここまで陰湿な批判を執拗に続けるのか、いまだに良く分からない。恐らくトランプ政権を構成する側近達の病的なまでに歪曲された世界観やイデオロギーが根底に有るのだろう。

 具体的に言えば、トランプやスティーブン・ミラー、バンス、ナバロらだ。極度に個人化された政治や外交を通じて、特殊な性癖を持つ一握りの人間がいじめやすいものをいじめているようにしか思えない。


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