韓国は、招請が無ければ、日本は、朝鮮半島における集団的自衛権行使を認められない、と言っているが、地域の他の民主主義国家とは、安全保障関係を拡大する余地が、より多くあるであろう。日本は、フィリピン、ベトナムに、沿岸警備艇の供与を約束しており、豪州とは、潜水艦の共同開発の取引に署名している。それらの関係が、今や、作戦面での発展を遂げる余地を得た。
一方、オバマ政権の、国防費削減と、自ら設定したレッドラインを守ることへの不熱心さがあいまって、アジアでは、米国の安全保障の信頼性について、懸念が高まっている。日本政府は、米国内のコンセンサスが同盟に好意的であるように維持するため、自らのパートナーとしての価値を証明しなければならないと認識している。
権威主義的な、現状変更勢力の台頭に直面した時、平和を保証するものは、究極的には、侵略に反対し、ルールに則った国際秩序を守るために、民主主義国家が団結する能力である。他の民主国家の防衛に駆けつけなければならないという、日本の認識は、アジアの平和を維持するのに決定的に重要である、と述べています。
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ウォールストリート・ジャーナル紙は、これまでも折に触れて、日本の集団的自衛権行使容認を、勧奨し、勇気づける社説を掲載してきましたが、この社説も、真正面から集団的自衛権行使を支持する公正妥当な内容です。
日本が過去の軍国主義に戻ることは無いと明確に指摘し、戦勝国史観的な対日警戒心は一切表現していません。そして、最近の中国の行動がこのような変化をもたらした要因であると指摘して、結論において、「他の民主国家の防衛に駆けつけなければならないという、日本の認識は、アジアの平和を維持するのに決定的に重要である」と結んでいます。これだけの明快な理解者が米国内にあることを知れば、米国の意向についてはもはや何の心配もないと言ってよいでしょう。
ただ、注意すべきは、海外において日本の集団的自衛権行使を論じる際に、現時点における最大の関心は、日本がフィリピンやベトナムの安全保障にどこまで寄与できるかということです。中国の警戒心もアジア版NATOにあります。日本は東南アジア諸国の安全保障に貢献する姿勢を示す必要があります。ただ、迂遠なようですが、石油ルートに対する第7艦隊のパトロールに対する自衛艦隊の参加から始めるのが現実的であり、それは、当然に南シナ海の安全保障にも寄与することになります。
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