2024年5月14日(火)

科学で斬るスポーツ

2014年7月28日

強豪国との国際試合を!

 四つ目は、強豪国との国際試合を増やすことだ。

 ザック・ジャパンの国際試合の戦績は決して悪くない。アルゼンチンやパラグアイ、フランスにも勝ったことがあるが、所詮、国際親善試合。W杯のような国際大会とは異なる。強豪国が集う国際大会にどんどん出場して、現実に直面する必要がある。

 その意味で、招待された2011年のコパ・アメリカは、東日本大震災などの影響で出場を辞退したのは残念だった。2013年のコンフェデ杯もよい機会ではあったが、ブラジル、イタリア、メキシコとの力の差を歴然と見せつけられた。ブラジルW杯もその差は縮まらなかった。

 そして最後、日本が目指すサッカーを徹底しようということだ。

 ブラジルW杯が終わり、日本サッカー協会は臨時技術委員会を開き、大会の総括を行った。原博実・専務理事兼技術委員長は「日本人の技術、スピード、組織力を生かし、相手を崩すという方向性は継続する」と明言。ザッケローニ監督のポゼッションを高めた攻撃的サッカーは変えない方針を示した。

 その一方で、「コートジボワールの選手のように激しさをもっと出さないと」とも語った。

 日本選手は、確かに俊敏性はあるが、線は細い。身長が低いという民族的な限界もあるが、高くない身長を生かしたチーム作りをしているスペインのような国もある。初めて日本がW杯に出場して16年。やるべきことは多いだろう。その意味で、日本代表監督が誰が就任するか注目されていたが、24日、元メキシコ代表監督のハビエル・アギレ氏(55)が内定した。

2010年の南ア大会では、メキシコをベスト16に導いたアギレ氏。(写真:ロイター/アフロ)

 メキシコ人で、1986年の母国開催のW杯で代表として活躍した。南ア大会は母国の監督として、16強に導いた。メキシコも日本と同様、身体的には恵まれていない中で、攻撃的なサッカーを含めいろいろな戦いができると言われている。新生アギレ・ジャパンの始動は、9月5日札幌ドームで開かれる、キリンチャレンジ杯のウルグアイ戦。次回ロシアW杯まで4年、たっぷり時間はある。一から体制を立て直し、ぜひ大きな夢を見せて欲しい。

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