さらに、トランプは基本的に「北京から見返りを得ることなく、ただ米国の信用を落とした」「これは単なる政策の変更ではない。抑止力を損なう一方的譲歩以外に取引する余地のない領域における、抑止から取引へと転換だ」と述べ、トランプが中台関係のリスクを減らしたいのであれば、中国に対して台湾を取引材料にするのは賢明な策ではない、それよりも「断固として台湾海峡の平和と安全の維持に注力し、中台の指導者たちがいずれ考え方の相違を解消できるようその為の道を開いておく」べきだ、と書いている。
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判然としないトランプの真意
Taipei Times が台湾への米国の武器売却をめぐるトランプ大統領の発言をとりあげ、武器売却を、単なる米中間の「取引材料(Bargaining Chip)にしてはならないと、警鐘を鳴らしている。もっともな議論である。
トランプがかつて台湾と米国の関係について、台湾政府は国防費に必要な予算を出していないとか、台湾企業は米国に進出して、半導体投資などで米国の市場を席巻したことがあるなどと発言したことは、よく知られた事実である。
その結果、一時は台湾内部で、アメリカはいざという時に台湾を助けてくれるのか、と疑問視されたことさえある。
目下トランプ政権は台湾に対して140億ドル(約2兆2000億円)規模の武器売却を検討中だと報じられている。上記のTaipei Timesの記事も伝える通り、トランプは米中首脳会談を終えて帰国する機内で記者団のインタビューに応じ、台湾への武器売却については、「私が間もなく判断する」と語っている。武器売却の承認は「中国次第だ」とも述べ、中国との「交渉材料」にする考えを示唆している。
1982年にレーガン政権が台湾に示した「6つの保証」の中では、米国は武器売却の計画については中国側と協議しないとされ、これが、米国歴代政権の慣習となってきた。
武器売却についてトランプ氏は「台湾を率いる人物と話をしなければならない」とも述べ、頼清徳総統とも協議する考えを示唆した。79年の断交以来、米国と台湾の指導者との直接交渉が実施されることは無かっただけに、武器売却をめぐり、米国と頼清徳との直接接触が行われれば、中国の猛反発は必至であろう。
