2026年9月14日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年9月14日

 最近漸く、政府系の金融機関は防衛装備に関係する企業に対する融資に積極的姿勢を示し始めた。それらの動きが市中の金融機関にも飛び火していくと良いが、依然として武器の製造に関与している企業に融資する銀行には預金を手控える傾向があるとして、金融機関は防衛系企業への融資に慎重となる。

日本にとっての喫緊の課題

 日本は第一に、防衛産業を単なる軍事機材の調達を満たす供給者という見方から、国家安全保障を支える戦略的産業基盤の提供者として明確に位置付けるべきである。第二に、政府保証、長期融資、信用補完等を組み合わせ、民間金融を防衛産業へ呼び込む新たな金融の枠組みを構築すべきである。第三に、同盟国・同志国への装備品の輸出を拡大し共同調達、共同開発をも時折には視野に入れ、国際的な防衛金融機関の創設にも積極的に参画すべきである。

 今や防衛力整備の成否は、「いくら予算を付けるか」ではなく、「その資金をいかに持続的な生産能力へも転換できるか」にかかわる。日本は、防衛産業政策、金融政策、輸出政策、技術政策を一体化し、官民の資本を戦略的に動員する新たな国家戦略を確立しなければならない。

 防衛産業基盤の強化を国家安全保障政策の中核に据え、「防衛のための金融基盤」を構築することこそ、これからの日本に求められる喫緊の政策課題である。

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