2026年9月17日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年9月17日

 自由化したキューバは、ソ連崩壊後のロシアのようにいわゆる「ハゲタカ(強欲な投資家)」に資産を二束三文で買い叩かれる事態は避けたいと考えるはずだ。市場が資産の真の価値を見出すまで譲歩を認め、官民連携を形成する方が良い、と彼は主張する。コンセッションを供与する前に、認証された請求権のための資金を確保する必要もある。

 腐敗したキューバの内部関係者に対する制裁強化は、彼らの国外脱出を早める可能性があるが、しかし、その日のための信頼できる計画も同様に効果的だろう。

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キューバで「改革」が起きる可能性

 米国の制裁の下で、キューバの経済危機は深刻化しているが、国家崩壊や国民の蜂起に至るような兆しはなく、膠着状態が続いている。それでも、仮にそれが実現した場合の移行期における対応について検討しておく必要があり、そのような構想の提示は、体制変換を促す効果もあろう。かかる問題意識の下、この論説でオグレディは、経済開発政策コンサルタント会社を経営する亡命キューバ人起業家のラファエル・ロメウの構想を紹介している。

 米国は、従来の経済制裁に加え、この1月からエネルギー供給の遮断を行い、メキシコ、ロシア等からの石油輸入はほぼ止まっている。しかし、キューバは、元々国内需要の40%程度は自給できること、また、米側が民間セクター支援策として民間ベースのガソリン等の輸出を許容したこと、さらにキューバ側の太陽光発電の利用等様々な対応により、1日20時間以上の停電状態にもかかわらず市民生活は何とか保たれているようである。

 5月にラトクリフ米中央情報局(CIA)長官がキューバを訪問し、対米窓口のラウル・カストロの孫や内務大臣らと会談し、米国は経済・安全保障問題で「真剣に関与する用意がある」が、キューバ側が「根本的変化」を実現する場合に限る、とのトランプ大統領のメッセージを伝えた。

 この「根本的変化」とは、国家統制経済の市場経済への移行、これに伴う軍系財閥GAESAの大幅な縮小、ロシア等との米国に敵対的な同盟国との関係解消、そして指導者層の交代や政治犯の釈放を含むものと解される。

 キューバ側は、6月に臨時議会を開催して176項目の市場自由化パッケージを承認したが、これにはGAESAの縮小といった措置は含まれておらず、米側は不十分な措置だとしてその後も制裁を強化し、特に金融面での外国金融機関や外国企業に対する2次制裁が効果を生じつつあるとみられている。


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