2024年11月21日(木)

ひととき特集

2014年10月1日

須田:なるほど、いまのN700系などはアルミニウム合金を使っていますから、0系に比べると重量が七割程度とたいへん軽くなりました。時代とともに素材や装備などの軽量化を進め、それによって騒音や振動を軽減し、エネルギー効率も向上させてきたわけです。

N700系が米原~京都間のコスモス畑を爽快に走り抜ける 
(JR東海=写真)


阿川:車両が進化していくなかで、車体の白と青という色は一貫していますね。

須田:JR東海では、あの新幹線ホワイトと新幹線ブルーは変えない方針です。青い帯の太さや数は変えていますが、色は今後も守っていきたいと考えています。リニア実験線の車両も、やはり白と青でしょう。

阿川:それはたいへん大切なことですね。一つの伝統というか、アイデンティティーとなって、あの色の組み合わせを見れば、新幹線を連想できますから。

須田:以前、新幹線をテーマにした海外の切手に、富士山の下をなぜか真っ赤な0系が走っているのがありました(笑)。さすがに外務省経由で先方に訂正を申し入れるようにしたのですが……。

阿川:たいへんレアな0系の切手ですね(笑)。最後に50年にわたる、新幹線の歴史をふり返って、どんな感想をお持ちですか。

須田:50年の歴史を重ねられたのは、安全に徹してきたからです。これは新幹線の基礎を築いた技術陣、特に安全システムを設計された方たちの功績が大きいと思います。

阿川:毎日、営業運転の終了後には、保線の方が必ず作業されると聞きます。それがあってはじめて定時運行も可能になるわけですね。安全への努力には頭が下がります。今日は貴重なお話を、ありがとうございました。

(写真・打田浩一)


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