中国メディアは何を報じているか

2014年9月12日

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佐々木智弘 (ささき・のりひろ)

防衛大学校人文社会科学群国際関係学科准教授

1994年慶應義塾大学大学院前期博士課程修了。日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長を経て、2014年2月から現職。共著に『習近平政権の中国』(アジア経済研究所)、『現代中国政治外交の原点』(慶應義塾大学出版会)。

 中央軍事委員会主席である習近平自身の軍関連のまとまった発言が報じられることは少ない。今年3月の全国人民代表大会以来ではないだろうか。しかも6月末に徐才厚元中央政治局委員・元中央軍事委員会副主席に対する党の処分が発表されてから初めての習近平のまとまった発言だけに、習近平と軍との関係を推測する上で重要な報道である。

習近平の発言の3つのポイント

 8月31日付『人民日報』に掲載された習近平の発言のポイントは以下の3つである。

 (1)世界の軍事趨勢の新たな認識
この(世界の―筆者注)軍事領域の発展、変化は広範で深い。情報化を核心とし、軍事戦略、軍事技術、作戦思想、作戦力量、組織体制、そして軍事管理の創新を基本内容とし、軍事システムの再編を主要目標とし、新軍事革命を推進し、発展を深めており、その速度の速さ、範囲の広さ、程度の深さ、影響の大きさは第二次世界大戦終結以降ほとんど見られない。

 (2)世界の軍事趨勢に対する中国の対応
わが軍(人民解放軍―筆者注)の87年の発展史は一つの創新史である。マルクス主義軍事理論、中国の革命戦争と人民軍隊建設の実践、中華伝統の兵法を結びつける過程で、わが党はたえず創新し、次第に建軍治軍の原則と制度を形成し、人民戦争の戦略技術を創造し、わが軍の特有の優勢を形成した。われわれはこれまでのいかなる時に比べても軍事創新という優良な伝統をさらに継承、発揚し、情報化戦争に適応し、使命、要求を履行する新たな軍事理論、体制編制、装備システム、戦略技術、管理モデルの構築に努力しなければならない。

 (3)軍事創新任務の原則<1>強軍目標、積極統率を堅持する
<2>思想解放、観念転換を堅持する
勇気をもって機械化戦争の考え方のパターンを変更し、情報化戦争という思想観念を樹立する。伝統的安全の考え方のパターンを変更し、国家総合安全と戦略的利益の拡張を維持するという思想観念を樹立する。単一軍種作戦という考え方のパターンを変更し、諸軍兵一体化の連合作戦という思想観念を樹立する。部門利益の固守という考え方のパターンを変更し、全軍全局、全国全局という思想観念を樹立する。
<3>重点をしっかりつかみ、全体的に推進することを堅持する
<4>特色を突出させ、自主創新を堅持する

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