ところが、中国でのスマホの普及台数は、11年から広がり始め、13年だけで3億5000万台に達しているという。それに伴い09年に2300万人だったゲームユーザー数も、13年には1億6300万人へと急成長している。さらに、特に今年に入ってからの勢いはすさまじい。調査会社CINNICは、今年6月にユーザー数が3億人を越えたという。
この背景には、創業3年目にもかかわらず、低価格でありながら高性能なアンドロイド端末の販売で、急激にシェアを伸ばしている小米科技(シャオミ)といった中国のスマホ企業の躍進がある。
同社は、今年4~6月期の中国国内の販売台数で、サムスン電子の市場を奪う形で、トップに躍り出た。同じような性能の3機種の販売価格が、サムスンの携帯の約半額と価格破壊を引き起こしており、爆発的な人気を得て普及を加速化しているのだ。特に1000元(約1万6000円)を切る機種の人気は高い。
それに伴いスマホゲーム市場は、重要な成長分野として、数多くの企業が勝負をかける分野へと変わった。中国の通信回線は3G回線が主流で、日本のような通信し放題の契約ではなく、従量課金制であるため、多くのユーザーは自宅のWiFi回線を使うことが多い。
そのため、日本で携帯電話向けに人気を得ていたブラウザをつかった携帯ゲームはサーバとのデータ通信量が多いために、嫌われる傾向がある。過去、ブラウザゲームで進出を目指した、グリーが失敗し、DeNAが苦戦している背景には、中国の事情にあったゲームを展開できなかったことに要因がある。
勝ち組が確定していない
群雄割拠の中国スマホゲーム
スマホゲームのトップの売り上げを誇るのは、PC向けで6割以上のシェアを持ち、スマホではWeChatという日本のLINEに似たメッセンジャーサービスを成功させているテンセントだ。しかし、モバイルでは26%とパソコンほど独占的なシェアを握っていない。一方で、2位から10位までの企業は最大でも市場シェアの5%しか取っておらず、1%台の企業が全体の41.9%を占めるという状態で、大ヒットタイトルが1本出れば、いきなり急激なシェアの拡大が見込めるという群雄割拠の状況にある。