2024年12月12日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年10月1日

 核交渉が上手くいかなければ、イランの対中石油輸出、中国のシルク・ロード地帯建設もうまくいかないので、両国とも、核交渉の不成功は望まないだろう、と述べています。

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 この論説は、中国・イラン間のエネルギー取引の現状についての情報を与えてくれます。両国は、相当大きな取引をしており、中国は全体として上手く立ちまわっています。ただ、アザデガン油田については、日本の撤退後、中国が入り込みましたが、これは、うまくいっていないようです。

 中国は、イランから石油を輸入したがっていますし、シルク・ロード経済圏建設も目指しています。一方、イランも対中経済関係を重視しています。核交渉が駄目になれば、それらが上手くいかなくなるから、両国とも核交渉の成功を望んでいる、という指摘はその通りでしょう。

 しかし、イランにとって、核問題は主権のあり方にも関わる重要問題であり、対中関係よりも大きな問題です。中国とイランが核交渉の成功を望むこと自体は歓迎されますが、対中関係への配慮が核問題についてのイランの姿勢に与える影響は、決定的なものとはならないでしょう。また、中国の対イラン配慮が、核交渉に悪影響を与える可能性を懸念する必要もあるでしょう。

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