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2014年10月20日

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小泉悠 (こいずみ・ゆう)

東京大学先端科学技術研究センター特任助教

1982年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。民間企業を経た後、2008年から未来工学研究所。09年には外務省国際情報統括官組織で専門分析員を兼任。10年、日露青年交流センターの若手研究者等派遣フェローシップによってモスクワの世界経済・国際関係研究所(IMEMO)に留学。専門は、ロシアの軍事・安全保障政策、軍需産業政策など。著書に軍事大国ロシア』(作品社)、『プーチンの国家戦略』(東京道堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学』(東京堂出版)。『ロシアの軍事情報を配信するサイト「World Security Intelligence」(http://wsintell.org/top/)を運営。

突然のミュージックビデオ

 ところがこのワシリエワという人物は突拍子もないことが好きなようで、自宅軟禁状態になり、4500万ルーブル(約1億3000万円)という個人資産を裁判所に凍結されても、じっとしてはいなかった。

 彼女がまず始めたのは油絵で、7月18日のマレーシア航空機撃墜事件の犠牲者を追悼する絵を描いたり、オバマ大統領の53歳の誕生日を祝う肖像画を描いたりしてTwitter(@EVAHOMEALONE)にアップし始めた(ただし、ご覧いただければ分かるように、控えめに言ってもあまり上手とは言えない)。

 さらに自分が着飾った写真をプロの写真家に撮ってもらってFacebookにアップするなど、目立ちたがり屋の傾向も見られる。

 それにとどめを刺したのが、10月、Youtube上にアップされたミュージックビデオ(https://www.youtube.com/watch?v=XI2SDYj9RR4)である。主演はもちろんワシリエワで、何人もの女優を従え、かなり凝ったつくりだ。

 ところがそのタイトルは、「ターパチキ(スリッパ)」というかなり変わったものである。何故こんなタイトルなのか? 以下、その理由を明かす記事をご紹介する。

* * *

【翻訳】
「セルジュコフは私と結婚してくれるわ! エフゲニヤ・ワシリエワがセルジュコフ元国防相の「赤いスリッパ」のクリップをリリース」(『モスコフスキー・コムソモーレッツ』 2014年10月13日)

 オボロンセルヴィス事件の主要容疑者の一人であるエフゲニヤ・ワシリエワは創作活動を続けている。ネット上には彼女の新曲「ターパチキ」のクリップが現れた。「私の歌を聴けばセルジュコフはすぐに私と結婚してくれるでしょうよwww」と彼女はTwitterに書き込んでいる。

 ワシリエワは以前、自分の新しいビデオについて予告していた。「来週は今年のプレミアです!!! セルジュコフのスリッパについて歌っています!」。彼女によると「私が作詞し、私が歌い、モローチュヌィの私のアパートで撮影した」ものだという。

 歌の中では、赤いスリッパのことが歌われている。この歌詞のヒロインに彼女の友達が贈ったものだ。黒いタイツに黒いボディスーツ、白いジャケットをまとったワシリエワは、草原でハイテンションな音楽に乗って踊る。

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