2024年12月23日(月)

Wedge REPORT

2014年12月9日

─超高齢社会では現在の雇用システムは維持できないということですか。

神代:そうです。65歳以上の老年人口が、2030年には3人に1人、60年には2.5人に1人になります。60年には15~64歳の生産年齢人口が2人に1人まで減っていきますから、65歳定年で高齢者が働かないという仕組みで社会を維持することは到底不可能です。

 一方、60歳あたりから生活習慣病の患者は急増します。11年度実績で国民医療費全体の55.6%を65歳以上が占めています。健康で働くアクティブシニアをどれだけ増やしていけるかに日本の未来がかかっています。

─アクティブシニアを増やすには何が必要でしょうか。

神代:1にも2にも予防です。個人個人が健康を維持し、企業、職場が作業環境を改善する。運動習慣のある人はない人に比べ、日常の勤務によって生じる疲労感が小さく、抑うつ症状も少ないことが分かっています。

 工場労働の研究から、作業台は腕の角度が90~100度となるような高さで設置するのがよく、90度を切ると腰痛を起こしやすくなることが分かっています。ホワイトカラーの職場でも、この適正角度を意識した机と椅子の高さになっているかが大切です。


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