それでもイランの場合、全ての政策が最高指導者ハメネイ師の胸三寸で決まるだけに同師の了承のある限り心配はない。そのハメネイ師は今回の再延長決定後も間接的な言い回しながら交渉継続を支持している。
問題は共和党が2015年1月以降、上下両院で多数派となった米国である。交渉再延長が決まった後の主要議員の発言を見ても、同党のジョン・マケイン議員を含む3人の上院議員が「交渉の延長と同時に制裁強化も行うべき」との趣旨の声明を発表しているほか、「米議会はイランが核爆弾を製造する時間をもう与えるべきではない」(マーク・カーク上院議員、共和党)、など厳しい論調一色である。
果たしてレームダック化したと言われるオバマ大統領が共和党と折り合いをつけつつイラン核交渉をまとめられるのか、その手腕に注目したい。
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