2024年11月22日(金)

世界の記述

2015年1月27日

 サウジにはこれらを達成する上で目障りな存在が二つある。第一は、OPECの市場管理力を脅かす非OPECの生産国、今で言えば米シェールオイルやロシアである。第二は、OPEC内の政治・石油面でのライバル国、具体的にはイラン、イラクである。14年春先の時点では、核交渉合意による制裁解除から3~4年後にはイランの産油量は増加すると見られていたし、イラクも20年には当時の生産量の2倍、30年には3倍になるとの見方が台頭していた。

 シェールオイルやロシアの今後の増加を抑制し、OPEC市場のシェアを安定化させた上で、そこに生産能力回復の見込まれるOPEC内のみならず湾岸政治でのライバル国家イラン、イラクの増産部分をはめ込めば「めでたし、めでたし」である。それがサウジアラビアの真の狙いというのは、深読みのしすぎであろうか。

  
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◆Wedge2015年2月号より

 


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