2024年7月23日(火)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2015年2月13日

交錯する資源国の思惑

 チタン会議も終わり、帰国便で4回目の映画『リンカーン』を見て気がついたことがあった。南北戦争、リンカーン大統領の暗殺など多くの血を代償にして民主主義は達成された。だが、その民主主義をアメリカが中東などに輸出しようとするほど、国際的な紛争の火に油を注いでいるようにも見える。民主主義という理想と、今の現実との乖離が『リンカーン』を見て釈然としない理由なのかもしれない。

 世界の現実を見れば、民主主義どころか、いまだに大国による覇権争いである。中間選挙では民主党が大敗してオバマ大統領の人気は下降の一途であるが、アメリカの世界戦略は、資源大国として復活することである。掘削コストの高いシェールも原油価格が下がれば生産に悪影響が出るものの、ロシアやベネズエラなど原油頼みの国のほうがもっと苦しい。実際、ルーブルは暴落し、ベネズエラはデフォルトするのではないかとの懸念も出はじめている。いわば「肉を切らせて骨を断つ」戦略でロシアなど反米の資源大国に宣戦布告するような動きを見せている。

 一方、シェールによる原油相場の低迷に過剰反応したOPECのリーダーであるサウジアラビアもOPECの生産調整をしないことにした。これは、逆にアメリカのシェールを潰すためである。シェールもサウジの原油には敵わない。サウジはアメリカに宣戦布告したのだ。2015年の資源安ショックはまだ収まる気配はない。

  
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◆Wedge2015年2月号より

 


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