とにかく、経済成長の失速がすでに鮮明となっている中国では、バブル崩壊が現実となってそれに伴う一連の悪影響が現れてくると、中国経済は実質上のマイナス成長に突入してもおかしくないような状況となってくるのである。
さらにいえば、今やGDP規模の約4割に相当する融資規模に膨らんだシャドーバンキングが今後一体どうなるのかは、中国経済にとってのもう一つの時限爆弾である。昨年10月1日掲載の私のコラムで指摘しているように、中国のシャドーバンキングの中核的存在を成している「信託投資」は、実はその半分程度が不動産業への貸し出しとなっているから、今後、不動産バブルの崩壊が本格化して不動産業へ投じられた「信託投資」の多くが回収不可能となると、「信託投資」そのものはいずれか破綻してしまい、「信託投資」の破綻はすなわちシャドーバンキング全体の破綻に繋がりかねない。
そして万が一、シャドーバンキングが破綻して全国的金融恐慌となると、中国経済はもはや成長するかどうかどころではない。
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