――東京での事業に影響は出ているか。
髙橋:影響は出ていない。引き続き事業は拡大している。
――白タクが法律で禁止されている国で、「UBER X」を展開している事例もあるが、なぜ日本では「UBER X」を行わないのか。慎重に進めている印象を受けている。
髙橋:慎重というより、ハイクオリティなサービスに対するニーズが東京にはあるだろうというのが、我々の仮説としてあり、まずはそれをやってみたというところ。
ハイヤー事業を通じて、様々なデータを得ることができているが、こうしたデータを取りながら、今後のプランニングをしていこうと思っている。
繰り返しになるが、リソースが限られているので、色々なサービスを一度に行うことはできない。
――「UBER X」には法規制が立ちはだかる。
髙橋:日本に限らず世界中で発生していることだが、そもそも何十年も前につくられた法規制で、インターネットがなかった時代に決められたもの。
前提が変わってきているともいえる。国土交通省には、事業開始前から、規制に関する相談はしている。
――タクシー業界から苦情は寄せられているのか?
髙橋:そもそもそれほど接点がないということもあるが、特にそういった声は入ってきていない。
――UBERにハイヤー、タクシーを提供している会社に評判を聞くと、「新たな収益の柱ができ、儲かるようになった」と有難がっていた。
髙橋:UBERにタクシーやハイヤーを供給するメリットがあるように設計していることも、影響しているのかもしれない。
――2020年の東京オリンピックまでには、サービスを定着させたいというような目標などはあるのか。
髙橋:サービスの内容も、5年先となると、まったく別のものになっている可能性がある。
A地点からB地点へ、なるべく早く、安く、安全に連れていってくれという需要は必ずあるので、これにどうやって応えていくのかということを数年かけて詰めていかなければいけない。
これだけグローバルで普及しているサービスが東京をはじめ、日本全国で当たり前のように使える世の中をつくっていかないといけないという、ある意味で使命感のようなものを感じながら取り組んでいる。
(聞き手・構成/Wedge編集部 伊藤 悟)
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