2024年4月19日(金)

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2015年4月21日

SNS出身のマンガ家が
書籍化でぶちあたる壁とは

 現在27万人以上のフォロワーを抱えるツイッターマンガ家・アーノルズはせがわさん(https://twitter.com/ringooooooooooz)にも、出版社から書籍化の声が掛かっているという。彼は毎日コツコツとマンガをアップすることでフォロワーを増やしてきた。そのうち、ウェブを中心にマンガコンテンツの仕事が入るようになったそうだ。その結果、書籍用のマンガを書き下ろすヒマがなくなってしまい、書籍の出版はまだ先だという。雑誌出身のマンガ家の場合も、書籍化する際に多少の加筆修正を行うが、ウェブ出身だと修正の量が桁違いだからだ。

 いくらSNSで人気でも、書籍化するとなると絵のクオリティをそれなりに保たなくてはいけない。ほぼすべてのコマを書き直すことも多いと聞く。そもそも書籍化を念頭に置かず、自由なフォーマットでマンガを描いている人も多いため、サイズや文字などを書籍用に作り直さなくてはいけないこともある。

 そんな中、4コママンガを毎日無料配信するツイッターアカウント「ツイ4」(https://twitter.com/twi_yon)は毎月のようにツイッターマンガ家の書籍を出している。多作が可能なのは、このアカウントを出版社の星海社が運営している点ではないだろうか。ノウハウがあり、比較的スムーズに書籍化が進むため作家も安心して執筆できる。出版社側も、ツイッターでファンを抱えた状態で出版できるため、ある程度の売り上げが見込めるという利点もありそうだ。今後、出版社が最初からツイッターマンガ家を育てるという例が増えるかもしれない。

 マンガ家への道は「マンガ誌に投稿して連載のチャンスをつかむ」パターンだけでなく、SNSでチャンスをつかむという手も出現した。しかしSNSにマンガをアップしているユーザーは大量にいる。クオリティ、話題性、努力、運は必要不可欠なので、夢物語感は相変わらずである。

  
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