一見聞こえの良いエコカー政策だがこれは実は欧州系ロビー活動の成果だ。このCO2連動税はヨーロッパ勢が得意とするディーゼルエンジンに有利でありガソリンエンジンが得意な日系には不利、将来的には企業別平均燃費の導入も予想されており、こちらも大型車が得意な日系に不利な状況である。
つまり、15年のASEAN統合による低価格車出現のタイミングを狙ったともいえる、この16年からのCO2連動税導入はASEANで独り勝ちしている日系メーカーに対し2方面の競合から決闘状が舞い込んでいる状態だ。
ASEAN向けに価格と環境双方に対応した製品開発に奔走しこれを機に更なる日系の実力を磨きのばすべき局面にある。
AEC統合による低価格商品の物流迅速化、エコカー政策で環境に優しく車のある便利な生活を多くの人に、という聞こえの良い面が強調されるが、見えないところでは日系の牙城を崩してシェア増大を狙う競合たちとの激しい戦いがある。是非「廉価で高品質で環境に優しい」という日本の会社にしかできない大技を決めて更なる躍進を期待したい。
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