2024年12月7日(土)

世界の記述

2015年5月12日

 今年年末に発足を予定しているアセアン経済共同体。地域内関税撤廃という経済メリットおよびインドシナ半島を東西南北に走る回廊整備といった物流面での改善が大きく期待されている。

 現在当域内で日本の投資が圧倒的に多いのがタイ。日系企業主導による自動車生産と電子部品製造は現在タイの年間輸出高トップ5に入っている。そのタイの目下の悩みはなんといっても人件費の上昇だ。原因は2012年時の首相が一般市民の支持を得ようと実施した「全国一律最低賃金一日300バーツ(1000円と換算)」という法律。それまでは地方へ行けば一日150バーツ(500円)程度とアセアン他国とも競争力があったがこれを機に日系のみならずタイ企業も人件費削減策に追われ「タイプラスワン」という名で周辺諸国との上手な連携を模索している。

 一例としてタイの東にあるラオスの経済特区を使い如何に有利に製造活動をするか、という提案を紹介しよう。ラオスの経済特区に拠点を作り労働集約型の生産工程を切り出してまたタイへ戻す。先述の回廊をうまく使うとタイの6~10人程度分の人件費で運賃は賄える、といった生産コスト面でのメリットがある。外資呼び込みをしたいラオスは新規法人設立の迅速化(最短で2時間!)、数年間の法人税免除、豊富な労働力確保可能、といった多くの恩典に加え特区以外の地域ではさらに充実した待遇を用意している。

 こういう話を聞いて考査することはまず陸送について。経済特区は国境から3キロメートルでほぼ問題ないだろうが、タイは日本と同じ右ハンドルだがラオスは左ハンドル、といった違いなどはさらに安い人件費、もっと多くの恩典、といったものを狙い他の地域で開業となると課題が出そうだ。


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