2024年11月24日(日)

WEDGE REPORT

2015年6月25日

 前述の通り、マイクロソフトでは拡張現実の技術が紹介されたが、今年、特に注目を集めている技術は、バーチャルリアリティだ。ESAの広報担当者は、「今回の展示会でバーチャルリアリティが体験できるゲームの展示は、過去最多の28社だ」と話す。

バチャールリアリティを体験する来場者

話題をさらうオキュラスリフト

 なかでも勢いが見られるのがアメリカのベンチャー企業、Oculus VR社だ。同社ではVRに、ヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」を使用する。これには、人の視野角に近い広い視野角と、首の動きに遅延なく追随するセンサが搭載されているため、(←http://www.ocufes.jp/2013/10/175/)頭を動かしても映像が固定されているので3D酔いを避けることができる。同ブースには1階と2階に個室を設置し、「Edge of Nowhere」「EVE:Valkyrie」などのデモの体験ができた。また、サムスンの携帯電話用「GEAR VR」も用意され、1階のオープンスペースでデモを開催した。

オキュラスリフトのブース

 同じくソニー・コンピューターエンタテイメント(SCE)のブースでもPS4(PlayStation4)向けに現在開発中の仮想現実ヘッドマウントディスプレイ(HMD)「Project Morpheus(プロジェクト・モーフィアス)」のデモが開催された。SCEのプレジデント兼グローバルCEO、アンドリュー・ハウス(Andrew House)氏は、「個人で行うゲームが多いなか、モーフィアスは、(『Playroom VR』など)1つの仮想空間を家族や友人など4人までで共有するマルチプレイヤー体験ができる」と話した。

ソニーのモーフィアス

 展示は、20近くのコンテンツごとに個室にわかれ、一番人気の『London Heist』など、案内される個室によって体験できるコンテンツが異なった。製品版は2016年に発売されるが、具体的な日程やタイトルは未定だ。絶叫戦慄ホラー『Kitchen』を体験したブラジル出身のジャーナリストは「仮想空間なのに、あたかも物理空間に入り込んだ印象を与える没入型がみごとだった」と絶賛した。

 その他、任天堂では、「ドンキーコング」「スーパーマリオ」などの生みの親として知られる宮本茂氏が、録画放送「Nintendo Digital Event」でスターフォックスのシリーズ最新作のWii U用ソフト「スターフォックス ゼロ」のプレゼンテーションを行った。「制作者の宮本茂氏からスターフォックスがどのように変化を遂げてきたかが伝えられ、すばらしいプレゼンだった」と、ゲームの品質管理を行う男性は、その満足度の高さを話す。

任天堂、スターフォックスゼロ

 他のアジア勢はどのようなメーカーが出展したのだろう。韓国からは「韓国のゲーム業界でトップ3に入る」とルリ・リー(Luri Lee)氏が話すSmilegate Holdingsが出展。同社は、オンラインマルチプレイファーストパーソン・シューティングゲーム「クロスファイア」を開発した。「SuperData Research」の報告によると、このゲームは2013年に世界で最も課金されたオンラインゲームで、9億5700万ドルを記録したという。今回は、新しいモバイルサービスプラットホーム「STOVE」を公開し、グローバル市場攻略を目指す。

韓国のSmilegate社

 現代のゲームは、まるでハリウッド映画を観ているように感動的なストーリー性があり、画質も非常に高くなった。今後もコンピュータービデオゲーム業界は、さらなる進化を遂げていきそうな予感だ。

  
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