photo:井上博道
額田王以下3人の歌人の作品を眺めていたら、ある情景が浮かんできた。くる日もくる日も恋人を待ち続ける女の、切ない横顔である。ギターを持って 曲を付けたら、ラブソングが生まれていた。そのメロディーに合わせて額田王の和歌を自由訳すると、ざっと次のようになりそうである。
「ああ、恋しいあなた。今夜も私は、あなたを待っています。でも、あなたはこない。あなたの代わりに、すだれをふるわせ、きてくれたのは、風。もう、秋なのね……」
新曲「万葉恋歌 ああ、君待つと」を歌っているのは、私と小林幸子さんである。2枚のCDを聴き比べてみるのも、一興であろう。
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