「LA2015は、ただいまをもって開幕した」。こう宣言したのが、開会の挨拶をおこなった大会名誉会長のミシェル・オバマ大統領夫人だ。ミシェル・オバマ大統領夫人は、「Unity(団結)」をテーマにスピーチを行なった。「何億の人たちが、みなさんだけを応援している。しかし、応援している人々は、選手であるみなさんから、どんなチャレンジがあっても、それを乗り越えられると学ぶことができ、元気づけられている。みなさんは、私たちを団結させてくれた。私の夫と私は、みなさんのことを誇りに思い、心の底から愛している。みなさんの活躍が楽しみだ」。この力強いスピーチに「本当に元気づけられた」と話す観客たちも、少なくなかった。
ケネディ一族で、スペシャルオリンピックスを創設したユニス・ケネディ・シュライバーの(元カリフォルニア州知事で俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーの元妻)、マリア・シュライバーも挨拶を行なった。「ユニスは、みなさんがみなさんであることを、本当に誇りに思っている。彼女は、みなさんの愛や特別な魂のなかに、そして、今ここに生きている」
前述のとおり、SOのコンセプトを開始したのは、元アメリカ大統領、ジョン・F・ケネディの妹、ユニス・ケネディ・シュライバーだ。「彼らには知的障害を患った妹、ローズ・マリーの存在があった」。こう話すのは、SOのディレクター、エロイス・クロフォードさんだ。「ケネディ家はフットボールなど、スポーツに強い関わりを持っていた。そこで、ローズ・マリーにスポーツに参加してもらい、セラピー効果をもたらしたいと考えたようだ」。
このアイデアをベースに、1962年に6歳から16歳の知的障害者のために、ユニス・ケネディ・シュライバーの庭で1日のデーキャンプが開催された。ABCニュース(http://abcnews.go.com/US/maria-shriver-gears-special-olympics-world-games-gma/story?id=32654873) によると、「どこもサマーキャンプの開催を受け入れてくれなかった。それなら、うちでやろうということになった」。その6年後、1000人の選手たちによって、初のスペシャルオリンピックスがシカゴで開催された。開会式でユニス・ケネディ・シュライバーが宣言した選手宣誓は、今回のオリンピックでも宣言されている。
「私に勝たせて。でも、もし勝てなくても、競うときに勇気をもたせて(Let me win. But if I cannot win, let me be brave in the attempt)」。ABCニュースで、マリア・シュライバーはこのように話す。「母は知的障害を患った方たちは、健常者を負かすことができることを伝えたかったんだと思う」。