2024年11月22日(金)

山陽新幹線各駅停車の旅

2015年10月3日

 「広島アンデルセン」

 「広島アンデルセン」「青山アンデルセン」はじめ、全国各地の“街のホームベーカリー”「アンデルセン」を展開する、株式会社アンデルセン。広島県民にはおなじみの「タカキベーカリー」や、我が家の近所にもある「リトルマーメード」も、グループ会社。はじまりは昭和23年、終戦後で食糧難の広島市内。創業者である高木俊介・彬子夫妻と従業員2名で、パンをつくって販売をはじめた。日本ではじめてデンマーク仕込みのデニッシュペストリーを発売したのも、客自らがトレイとトングを持ってパンをレジに運ぶ“パンのセルフサービス方式”をはじめたのも、「タカキベーカリー」に起源する「アンデルセン」。日本人にパンを味わう楽しみや幸せを教えてくれたベーカリーの本拠地にある「広島アンデルセン」も、また特別な店舗。大正14年に銀行として建築され、原爆が投下された昭和20年に被爆したルネサンス様式の美しい建物を修復して利用している。「ベーカリーマーケット」「アンデルセンキッチン」、北欧雑貨が並ぶ「マーガレットクラブ」などテーマに分かれたフロアごと、パンから広がる暮らしのあれこれを存分に味わえる。

住所:広島県広島市中区本通7-1
TEL:082-247-2403
※建て替えのため現店舗での営業は、2016年1月17日まで。2018年に同じ場所に新店舗オープンの予定です。2016年2月より近隣の仮店舗で営業します。

土日祝と、ホームゲームの日に販売される、広島カープ応援パン。「カープ坊やのデニッシュ」は広島県内、「赤ヘルサンライズ」は広島市内の限定パン。
アンデルセン童話をモチーフにした「童話のパン」は、月ごとかわる。こちらは「はだかの王様」がモチーフのパン。
石窯から焼き上がるパンの芳ばしい香りに満ちたベーカリー。「広島アンデルセン」オリジナルのパンを含め、約120種類のパンがずらり。
「アンデルセンファーム」でつくられるオリジナルワイン。「志」が赤で、「幸」は白。
建物内には大きな北欧の人形も。

 「薬研掘 八昌」

 風邪ひきで半日なにも口にせず、しかし広島に来たならば、広島流お好み焼きはどうしても食べて帰りたいと向かった「八昌」。鉄板に向かうカウンター席で、職人さんの無駄のない動きに見惚れるうちに、「そば肉玉」が目の前に。時間をかけて低温で蒸したキャベツの甘み、よく焼いたソバのかりかりっと歯ごたえのある食感、トロリと生地になじむ半熟玉子、コクと旨みがぎゅっとつまったソースが相まって、とびきりおいしい。それまでのだるさが嘘のように、1枚たっぷりの分量をぺろりと平らげた。そうしてその場で広島生まれの友人に「お好み焼きでこんなに胸を打たれたのははじめてだ」とメッセージを送ったほど。焼いたり、客が食事を終えるごと、常に鉄板がぴかぴかに掃除されるのにも目を見張り、思わず店長に「綺麗ですね」と声をかける。すると返ってきたのが「ここ(広島)じゃ鉄板はお皿なんで。お皿、洗わない店ないでしょ? 一度焼いて、お客さまが食べたあと、きれいにするのはあたりまえのこと」と。末広がりで縁起のいい数字の八と、商売繁昌から一字とった「八昌」のはじまりは昭和20年代。「みっちゃん」「へんくつや」「麗ちゃん」など、約50店が軒を連ねた屋台村の一角に店を構えた。創業者の味に惚れ込み修行した弟子たちが独立して、各地で「八昌系」と称される店を開く。

住所:広島県広島市中区薬研堀10-6
TEL:082-248-1776

目で見て楽しいようにと、玉子はすべて二黄卵。じっくりおいしく焼き上げるため、1枚20~30分焼き時間がかかる。多くの人は、ビールや「煮込み キムチ味噌」をつまみながら待つ。
基本の品書きは「そば肉玉」。野菜・そば・豚肉・玉子入り。麺はそばとうどんと選べるけれど、まずはそばを。
鉄板から直接、ヘラを使って食べるのが広島流。皿と箸も用意してもらえる。
16時の開店前から並んで待つ人も多く、店の前は常に行列。鉄板を前にしたカウンター席の他、座敷席もある。

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