「長崎堂」
広島っ子がもらって嬉しい手土産といえば、多くの人がこの名をあげる、長崎堂の「バターケーキ」。終戦から間もなくの昭和30年、長崎出身のカステラ職人がバラックでカステラを売ったのが店のはじまり。その後、よりおいしく、より滋養があるものをと誕生したのがバターケーキ。最初は他にも和菓子を販売していたけれど、評判のあまり連日行列ができ、バターケーキの専門店に。以来半世紀、同じ材料、同じ製法で、唯一の菓子をつくり続ける。
住所:広島県広島市中区中町3-24
TEL:082-247-0769
長崎堂の商品は、小・中・大(中2個入)、3サイズのバターケーキのみ。盆前と正月は整理券が配られるほど大行列ができる。
大きさによっては、午前中に品切れとなるものも。おつかいものに役立てるのか、何箱もまとめ買いしていく人も多い。
愛らしい掛け紙の箱を開けると、濃厚なバターの香りが広がる。口にすれば、しっとり素朴で懐かしい味。牛乳とも好相性。半分はそのまま。もう半分は冷やして食べたい。
「和菓子所 多津瀬」
50年ほど前からつくられる銘菓「氷牡丹」で知られる和菓子店。寒天や卵白を用いた3色の淡雪を茶巾に絞り、銀の紙で包む。緋牡丹には黄身餡、白牡丹には小倉餡、黄金牡丹にはこし餡が入る。生菓子だが日持ちがするのでおみやげ向き。「だるまさん最中」も愛らしい。
住所:広島県広島市中区袋町1-26
TEL:082-247-1602
店舗があるのは、広島本通商店街から1本外れた通り沿い。戦後しばらくしてから創業し、茶席の菓子として定評がある。
菓子とともに、紙袋や包み紙のデザインまでも美麗。
「氷牡丹」の箱入りの包み。菓銘に“氷”とあるけれど、年間を通して販売される。