2024年12月22日(日)

メディアから読むロシア

2015年7月21日

 先日、日本のネットニュースで、ロシアのセルフィー(いわゆる「自撮り」)が話題になった。

 危険な状況でセルフィーを撮ろうとしては命を落とす若者があまりに多いということで、ロシア内務省が安全を呼びかけるインフォグラフィックスを作成したというのである。

 これがまたなかなか洒落が効いた内容となっており、たとえば自動車を運転しながらのセルフィーについては「道のりがかなり短くなる可能性があります(=目的地に着く前に死ぬ)」、高圧電線の鉄塔に登ってセルフィーを撮ることについては「高電圧(напряжение)でセルフィーしてみたい? がんばってやる(напрягаться)ほどのことじゃないよ」と駄洒落を交えてたしなめている。

 しかも、このうち幾つかについては、同様の状況下で「セルフィー死」した若者の事例が掲載されており、なかなかの説得力だ。

 たしかにロシアの若者の物怖じしなさというか、今ひとつ根拠の分からない自信に基づく行動力にはなかなかのものがあり、ネット上にはかなり無謀な状況で撮られたと見られるセルフィーが溢れている。

 この結果、ロシアにおける「セルフィー死」は年間数十人にも上っているとされ、ロシア内務省としても何らかの対策を講じなければということになったらしい。

 上記のようにくだけた口調で注意を喚起しているのも、役所的な物言いでは肝心の若者には届かないという意識があるためであろう。


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