2024年4月20日(土)

サイバー空間の権力論

2015年6月17日

 前回はドローンにかかわる諸問題から、規制かビジネスかの二者択一的思考を超え、インフラとしてのドローンという事実に着目した(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5037)。新しい技術に社会が適合できない場合には、技術のあり方を問う議論が不可避の現象として現れる。

 インターネットの登場以前から、ポケベル、携帯、そしてネットといった情報通信ネットワークが人々に受け入れられ、浸透していった。その中で、情報技術に疎いお年寄りを狙った犯罪の一方、若者が中心となったネットワークの新しい波も現れる。時にそれは革新的であり、時にそれは彼らの首を絞めることにもなる。今回は、若者の間で人気のあるアプリについて論じることで、若者のSNS利用の多様化についてみていこう。

画像:gettyimages

カップルのイチャイチャ動画が閲覧できる「ミクチャ」

 現在、「ミックスチャンネル(MixChannel、通称「ミクチャ」)」という動画共有アプリが若者を中心に人気だ。ユーザーが動画や画像を編集し、10秒(サイズ圧縮などによりそれ以上も可能)の動画を投稿するこのアプリ、現在、iOSおよびAndroid用が無料でダウンロードできるほか、PCサイトでも動画が閲覧可能となっている(https://mixch.tv/c/3)。

 2013年12月のリリースにもかかわらず、2015年3月には月間再生数が5億4千万回を突破、アプリは350万件以上ダウンロードされている。アプリを製作したDonuts社によれば、利用者の半数近くは16~18歳の高校生、さらに10代がユーザーの8割と、若者がメインユーザーだ。


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