6月にフィットネス・ヘルスケア機器メーカーのFitbit(フィットビット)がIPO(新規株式公開)を実施し、その公開初日から株価が急騰した。シリコンバレーのハードウェアのスタートアップのIPOは、GoProからほぼ一年ぶりになる。
Fitbitの実際の所在地はサンフランシスコ市内のSoM(マーケット通りの南側)と呼ばれる地域だが、日本から見たときにシリコンバレーと総称してしまっても構わないだろう。
(画像:Getty Images)
Fitbitは最近ではウェアラブル機器メーカーと呼ばれることが多いが、2007年創業の同社は「ウェアラブル」という言葉が流行する前の2009年にいわゆる歩数計を発売して以来、一貫してフィットネスとヘルスケアにフォーカスした機器をつくり続けている。それに敬意を表して、ここではウェアラブル機器メーカーと呼ぶのはあえて避けようと思う。
Fitbitのホームページで公開されている米証券取引所へのIPO申請時の書類(S-1)で、最近の業績を知ることができる。
2013年にリストバンド型のいわゆるフィットネス・トラッカー(活動量計)を発売し、 2014年には心拍計を備えたモデルを追加して売り上げを伸ばし1090万台を出荷している。売り上げの伸びも凄いが、その粗利率(48%)の高さも驚きだ。やはりハードウェア企業のIPOは、その企業価値が明快で見ているだけでも気持ちがいい。
Designed in California
ではGoProの状況はどうなのかと思い、ホームページに掲載されている2014年の決算報告書から同様のグラフを作ってみた。Fitbitと比較しやすいようにスケールを同じにしてある。
ビデオカメラの市場が世界的に縮小を続け、 2014年には1000万台を切ってしまったといわれている中で一人勝ちの様相を呈し、2014年は対前年35%増の520万台弱を出荷している。売り上げの伸びは41%で、2014年の粗利率も45%に達している。日本のカメラメーカーも、アクションカムと呼ばれるこのカテゴリーの製品で後を追おうとしているが、なかなか追いつくことができない。