2024年11月21日(木)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2015年9月8日

断食道場6日目 
「高脂血症は断食で合理的に改善する」

 さて、6日目も朝早くから温泉三昧の断食生活を楽しんだ。日常生活では朝食は家族団欒の場として半分は義務感をもって頂いていた。無論、空腹を満たすためだが、朝食を食べるのは習慣になっていた。相撲取りが朝飯を摂らずに朝稽古に励むのは集中するためである。胃袋が一杯だと稽古にならないばかりか怪我をしやすいらしい。

 頭を活性化させるためにも朝食は軽めの方が良いのである。私の場合、昼食は取引先や会社の社員との情報交換の場として仕事の一環として頂いているし、夕食は仕事仲間との談論風発、百家争鳴のために毎晩のように居酒屋で飲み食いに明け暮れてきた。日常の食生活はどうしても過食気味に陥るから、知らず知らず体に毒素や老廃物が溜まるのだ。

 この日常生活を一旦リセットして山の中に籠り晴耕雨読の断食生活に入った訳だが、気がつくと早や6日目になり「メタボの体重」は4キロの減量となった。慣れとは面白いもので別に苦しさは感じなくなってきた。6日目にして体重の方は、76.1キロまで落ちてきた。一週間で5キロの減量を目安にしてきたからあと一息である。

 4キロの減量などは大した話ではないが、生活習慣病は改善し、精神衛生にも大変良いように感じている。胃腸の調子が良くしかも、精神的ストレスはほとんどないに等しい。断食のメリットは現時点で次のように理解している。

 食事をすると、その消化のために胃腸に供給される血液が多くなり、脳や心筋をはじめ、他臓器へ回る血液が相対的に少なくなる。断食をすると、胃腸に血液を供給する必要がほとんどなくなるので、脳をはじめとする胃腸以外の内臓、四肢の筋肉への血流が多くなる。人間の体内では、血液の循環が悪いところが病気を起こしやすくなる。その病気の患部の血液の循環を良くすれば治癒が促進されるはずだ。なぜなら、私たち人間の体のあらゆる臓器は、血液が運んできてくれる水分、酸素、栄養素、白血球、免疫物質によって生きているからである。

 さて、サラリーマンがかかりやすい病気で癌の次に死亡率の高い病気は脳梗塞と心筋梗塞である。脳梗塞や心筋梗塞は悪玉コレステロールや中性脂肪が原因である。まず動物性脂肪の摂取をひかえるのが近道だが、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)は動物性脂肪の飽和脂肪酸が悪玉の代表格である。 逆に植物性脂肪や魚類に含まれる不飽和脂肪酸はコレステロールを下げる作用があるから善玉である。 動物性脂肪1に対し植物性脂肪や魚類の油を2の割合で摂るのが良いバランスである。

 僕のようなタイプはやはり脂質を避けるに越したことはない。コレステロール摂取量は、1日300ミリグラム以下が目安だ。意外に危険なのが鶏卵(卵黄1個あたり平均210ミリグラムのコレステロールを含む)である。僕は特に卵好きで毎朝2個、食べていたが、これが要注意で、週に1回か2回に減らすべきである。ニワトリ以外の卵類(いくら、たらこ、すじこ)などもコレステロール含有量が多く、避けるべきである。

 このほかにも食物繊維を多く摂取する必要がある。食物繊維は腸管からのコレステロールの吸収を抑え、体外への排泄を促進する。日本人は1日平均4~6グラム程度の繊維を摂取しているが、これを10グラム以上に増やすことが必要だ。出来れば20グラム~30グラムが効果的だといわれている。 

 さらに、ビタミン類を多く摂取することも重要である。LDLコレステロールは酸化されると動脈硬化を促進するしビタミンEやC、カロチンには、コレステロールの酸化を防ぐ作用を持っているから意識してビタミンとミネラルを摂っておくと盤石である。最後に我々の職業柄もっとも注意しなければならないのがアルコールである。量を決めてお酒と付き合うのは百薬の長になるが、飲みすぎるのはやはり良くはない。

 アルコールだけでなく、菓子、ジュース類は、摂りすぎると中性脂肪を高めるので注意をするに越したことはない。

 さて、今回のように東京の日常生活から離れると、自然に親しんだり、多くの人びとにも会えて新しい価値観が見つかって面白い。もう一つの側面はサラリーマンの病気の多くはストレスからきているという事実である。広い多様性に富んだ価値観を持つことは精神面には大変にプラスになるものである。
 


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