2024年4月26日(金)

対談

2015年9月27日


木下 積み上げ感は大切だけど、なかなか共有されない考え方ですよね。コストの削減だってそうです。たとえば商店街のゴミ回収をどうするか。通常の回収だと店舗ごとに月3000円~1万円かかったりするわけですが、そのエリアの店や事業所から出るゴミを一箇所に集積させるだけで、年間で400~500万円のコスト削減になったりするんです。部分で見れば3000円を2000円にするといった小さなことでも、積み上げればもっと有効な使途が出てくる。でも面倒くさいからとやらない。物販でも3000円、5000円の単価を積み上げることをやりたがらない。「もっと手っ取り早くバーンと売る方法があるんじゃないの?」と言われるけど、あるはずがない。

 小さな「一」もやろうとしないで、いきなり「百」になる方法を教えろ、と言われることが本当に多いんです。「木下くんの言っていることは分かるんだけど、そんな小さなことでは町全体が再生しないよね。全体が再生する施策を考えてよ」みたいに言われることもあります。

久松 わかる。僕も言われたことあります。

木下 そんなものはね、「一」を積み重ねた結果で実現する話で、目の前の「一」の実現さえできない人が、いきなり「百」を再生させることなんてできないんですよ。そういう大きなことだけを言う人が、組織の代表者だったりする。自分が当事者として全体を悪くしてきたのに、まぁよく言えるなって思いますけどね。小さいことを積み上げないで全体を語るなんて、ただの空論だと思いますね。

一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスのフェイスブックより

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