2024年4月20日(土)

家電口論

2015年11月20日

アレルギー性物質に関しての対応

 次は、最近の掃除機でトレンドになっている室内アレルギー性物質の除去と、排気による二次汚染の防止です。

Q 日本では、アレルギー性喘息の患者が増えており、掃除機で家の中の微細なホコリに関して関心が高まっています。このため、ハウスダストセンサーを付けたり、排気にフィルターを付け、二次汚染、部屋の中広くダストをまき散らすことを防止するのがトレンドになっていますが、その対応はどうでしょうか?

A ルンバは、カーペットに対しても十分な吸引力を持ちますし、ゴミの多い場所では「ダートディテクト・モード」に切り替わり、キレイになったと判断するまで、前後のブラッシング動作で集中的に清掃します。

 また、排気フィルターも搭載していますが、100%の保証はしておりませんのが現実です。日本で、アカデミー(医学的)の推奨(「喘息予防・管理ガイドライン2012」に記載されている事項)があるのですね。情報ありがとうございます。次期モデルは、そこまで考慮しなければなりませんね。

 完成度が高いルンバ980ですが、コンセプトに入っていない事項に対しては、完全ではないようです。日本の状況も真摯に受け止めて頂けました。これは次期モデルに期待です。

日本のホームシステムへの対応

Q 今からいろいろなホームシステムが普及して行くと考えられています。日本での一番手は、HEMSだと言われています。iRobotは、ロボット掃除機をHEMSに対応させることを考えていますか?

i-Adapt 2.0ビジュアルローカリゼーションのキーパーツ。デジタルカメラ。 狭い範囲のナビゲーションシステムのキーを担う

A 日本のHEMSの情報は、米国では入手しにくく、対応はしておりません。エネルギーの観点だけで述べるなら、ロボット掃除機は極端にエネルギー消費は高くありません。まあ、その様な、冗談は置いておくとして、ホームシステムは重要であり、iRobotも参画したいと考えております。今回よりスマホとの連動を始めました。Iotの第一歩です。

iRobotのロボット掃除機に対する未来像

i-Adapt 2.0ビジュアルローカリゼーションは、部屋に存在する角の部分を測定し、自分の 位置を割り出し、マッピングする

Q いろいろお伺いしましたが、iRobotの理想のロボット掃除機はどんなものでしょうか?

A フロアケアのロボット掃除機に関して、答えさせて頂きます。一言で言うと、ユーザーが全く手を加えなくても、床のキレイな状態をキープしてくれるロボットです。掃除もロボット、充電もロボット、ゴミ捨てもロボット、メンテナンスもロボット自身です。人々は、フロアケアから解放されるのです。その時間を別のことに使う。人間はフロアケアのために生まれたのではないですから。これがiRobotの一つの理想です。

日本の皆さんへ

Q 最後に、日本の皆さんへのメッセージをどうぞ。

A iRobotの一人一人のエンジニアは、一つ一つの問題を解決するのが大好きです。その結果を持って、皆さんを幸福にしたいと考えています。今後とも、よろしくお願いします。

 こうして聞いて見ると、ルンバは明確な意志に基づき作られた「家電」であり、人間が使う「ツール」として作られたことが良くわかります。ですから、コンセプトに入っていないことはできないわけです。この点、iRobot社は明確に認識されており、とても気持ちの良いインタビューでした。知的好奇心と社会貢献が同一直線上にある彼らの今のポジションは、今の日本メーカーからはちょっと羨ましいかも知れません。

  
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