風はいつまで吹くか
1992年大統領選挙では「反既存政党の風」、2010年中間選挙では「反オバマケアの風」がそれぞれ吹き荒れました。では今回の「反職業政治家の風」はいつから吹き始め、いつまで続くのでしょうか。
筆者のフィードワークによれば、14年中間選挙においてその風はすでに吹いていました。南部バージニア州で民主党に登録している76歳の有権者の家を訪問した時、彼は「議員はペテン師だ」と怒りをあらわにしたうえで、13年の政府一部閉鎖及び、連邦議会における対立にうんざりしていると回答していました。この時、複数の有権者から職業政治家に対する怒りの声を聞いたのです。
共和党保守派も怒りが収まりません。彼等は、穏健派がオバマ大統領を2回当選させた点に対して激しく怒っているのです。しかも彼等は、オバマケアを廃案にできなかった職業政治家に対して裏切られたという気持ちを持っています。これらの怒り、反感並びに不信の風が、職業政治家による攻撃から非職業政治家のトランプ氏を守っているのです。そこで、トランプ陣営はこの風を読んだ選挙戦略を展開しています。トランプ氏自らがアウトサイダーを演出し、反職業政治家と反エスタブリッシュメントのメッセージを効果的に発信する限り、風は吹き続けるでしょう。
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