海野素央のアイ・ラブ・USA

2015年11月30日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

風はいつまで吹くか

 1992年大統領選挙では「反既存政党の風」、2010年中間選挙では「反オバマケアの風」がそれぞれ吹き荒れました。では今回の「反職業政治家の風」はいつから吹き始め、いつまで続くのでしょうか。

 筆者のフィードワークによれば、14年中間選挙においてその風はすでに吹いていました。南部バージニア州で民主党に登録している76歳の有権者の家を訪問した時、彼は「議員はペテン師だ」と怒りをあらわにしたうえで、13年の政府一部閉鎖及び、連邦議会における対立にうんざりしていると回答していました。この時、複数の有権者から職業政治家に対する怒りの声を聞いたのです。

 共和党保守派も怒りが収まりません。彼等は、穏健派がオバマ大統領を2回当選させた点に対して激しく怒っているのです。しかも彼等は、オバマケアを廃案にできなかった職業政治家に対して裏切られたという気持ちを持っています。これらの怒り、反感並びに不信の風が、職業政治家による攻撃から非職業政治家のトランプ氏を守っているのです。そこで、トランプ陣営はこの風を読んだ選挙戦略を展開しています。トランプ氏自らがアウトサイダーを演出し、反職業政治家と反エスタブリッシュメントのメッセージを効果的に発信する限り、風は吹き続けるでしょう。

  
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