2024年4月20日(土)

田部康喜のTV読本

2015年12月3日

 大陸横断鉄道会社や、エジソンの発明よって生まれたゼネラル・エレクトリック(GE)、電話会社のベル、自動車製造会社のGMなど、モルガンの出資なくしては成長できなかった。

 ロックフェラーの家族たちの団らん風景を映したフィルムが流れる。その子どもたちのなかに、世界最大の慈善団体であるロックフェラー財団を率いることになる、ロックフェラー・ジュニアがいる。

 ジュニアは次のように語っていた。

 「法皇や教皇、どんな国の王よりも仕事がおもしろい。なぜならば、わたしをどこからも排除することはできないからだ」と。

 ロックフェラーやモルガンによって、資本主義はモンスターのように巨大に成長を遂げる。

 アメリカの富に引き寄せられるようにして、膨大な移民がやってくる。その数は1920年からの10年間で400万人に達する。なかでも、革命後に迫害を受けたソ連のユダヤ人と、イタリア人が多かった。

 旧ロシアの貴族の専属化粧士から、化粧品会社を起こして成功した、マックス・ファクターや、ハリウッドの活躍の場を得たカーク・ダグラス、ポール・ニューマンら成功者の数は少ない。勃興する自動車産業などに移民たちは、その職場を求めた。

 アメリカの繁栄が永遠であるかのようにみえた瞬間に、1929年10月24日、株式市場を大暴落が襲う。「暗黒の木曜日」である。

 中西部の穀物地帯では、20年代の10年に幾度も砂嵐が穀物を枯らして、350万にも農民たちが当て所もない西部への旅にでた。


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