WEDGE REPORT

2015年12月20日

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共和党は法人税減税を主張

 一方の共和党はむしろ「世界一高い米国の法人税率の引き下げ」により企業の海外流出を防ぐことがより現実的、と主張する。世界の法人税率を見ると、1位が米国、2位フランス、3位が日本でいずれも30%超え。ドイツ、オーストラリア、メキシコが30%丁度だが、インバージョン先として人気のアイルランドではわずか13%だ(2015年の数字)。

 実際、米国内でさえ州が法人税を一定期間ゼロにする、などのインセンティブパッケージを提示して企業の工場誘致合戦が繰り広げられている。トヨタが米国本社をカリフォルニアからテキサスに移す発表を行ったのも、こうした州によるインセンティブ効果と言える。

 ともあれ、今回のヒラリー氏によるエグジット・タックスの主張は、別の意味で注目を集めた。共和党大統領候補がトランプ氏の言動に引っ掻き回され、まともな政策論議が出てこない、という現状がある。「イスラム教徒の米国入国を禁止する」法案実現を叫ぶトランプ氏を非難するのが精一杯で、現実的な政策を発表する暇もない共和党候補者たちを尻目に、民主党候補としてはすでに独走態勢に入ったヒラリー氏は学生ローンの軽減策など、耳当たりの良い政策を次々に発表している。この余裕に共和党は焦りを覚えてはいるのだが、なかなか追いつかない現状が透けて見える。

  
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