2024年4月20日(土)

WEDGE REPORT

2016年1月7日

 

ドローンともつながる

 さらに、データ・アナリスティックという部分では、DjiドローンとSYNCを連携させ、ドローンが収集した情報を車に送る、というプロジェクトを進めている。これは例えば災害による被害地などの探索に有効だ。空から地上の情報を集め、車が救援の必要な場所を特定できる、など今後の使途には期待がかかる。

 そして現在自動車業界でもっともホットな自動運転システム。フォードは元々政府が主導するロボティックカーコンテストであるDARPAに自動車メーカーとして唯一参加していたメーカーでもある。現在も自動運転システムでは業界をリードする存在だ。現時点で他の自動車メーカーの自動運転の達成度は5段階で2または3だが、フォードはすでに4に到達している、という。今年フォードは自動運転システムの試験モデルを3倍に増やし、実際の路上テストでさらなる精度を目指す。

 最後のカスタマー・エクスペリエンスに相当するのが、今回発表されたアマゾンとの連携だ。自動車をより生活に密着させ、スマートホームとの連携でより便利なものに発展させる。自動車と人とのコミュニケーションのあり方を変化させ、顧客満足度を高めるのが目的だ。

 これだけではない。フォードは昨年12月、EVに45億ドルを投資し、20年までに同社のモデルのうち13のモデルでEVを提供するとも発表した。そうなればもちろん現在の自動車メーカーの中ではトップとなる。環境、人との関わりなど、総合的に自動車を「単なる乗り物ではなく公共交通の一環」として広い視野で捉えることで、フォードは5年後、10年後の自動車作りを見据える企業になるという。

 この自動車とスマートホームとの連携、今後他のメーカーも参入しホットになりそうな分野だ。

  
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