一方、ロサンゼルス・ドジャースへの入団が決まった前田本人も、右肘の状態が不安視されている。メジャーリーグに詳しい日本の某球団関係者によると、「前田の肘の靱帯が伸びているというのは、3年前からメジャーのスカウトの間ではよく知られていた。彼の契約内容が安く抑えられたのもそのため」だという。
前田でも投げ過ぎ
確かに8年契約で最大8150万ドル(約96億円)ものインセンティブ(出来高払い)がついているとはいえ、契約金プラス基本年俸の年平均312万5000ドル(約3億6900万円)は、メジャー平均年俸(約400万ドル)より90万ドル近くも安い。カープではあれほど投げ込みを忌避していた前田ですら、メジャーリーグにおいては「あまりにも投げ過ぎ」だと見られているのである。
最近では、昨年右肘を手術したテキサス・レンジャースのダルビッシュ有、やはり右肘の靱帯を部分断裂したニューヨーク・ヤンキースの田中将大、さらにドジャースに契約を拒否されたシアトル・マリナーズの岩隈久志と「日本人投手は肘の故障持ち」がほとんど常識化しつつある。この上、前田も今季途中で故障者リストに入れば、これからメジャー入りを目指す日本ハム・大谷翔平の将来にも大きく影響してくるだろう。事はもはやマエケンひとりの問題ではなくなっている。
そうした中、前田のいなくなったカープは投げ込みを復活させるのか、させないのか。これもまた大変結論の気になる問題である。
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