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2016年2月27日

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勇気をもらった障がい者チームとの交流

 社会貢献活動については、当初から「プロで活躍してから」と思っていた。「2005年、日本シリーズのMVPで僕の名前を覚えてもらったんで、2006年には社会福祉活動を始めることができたらと思っていました。でも、2006年は成績が振るわなかったんです。打率も悪くって。そんな時、たまたまテレビで障がい者野球を見たんです。このチームと交流することによって、『考え方が変わるんじゃないか』と思って、手紙を書きました」

 『普通、逆ですよね』と聞くと、「待ってるものではないですし、人に勧められてやるものでもないと思っているので」と笑顔で答えてくれた。手紙には『交流をさせてもらえませんか』としたため、その年のシーズンオフに初めて群馬県伊勢崎市に群馬アトムの練習場を訪ねた。「グラウンドに行くと、片手や片足の選手が転びながらも、みんな声を出して楽しそうにプレーしていたんです。初めはホントに衝撃的でしたね。彼らと交流をさせてもらうっていうことは、もちろん自分のプレーも生半可な気持ちではできないと思っています」

 日本身体障がい者野球連盟には、16年1月現在で全国36チーム、896名が登録している。選手は、松葉杖を片手に守備についたり、片手でバットを振ったり、車椅子でプレーしたり。チームは身体障がい者と視聴覚などの障がい者で構成される。今江選手が交流する群馬アトムは昨年11月に行われた第17回全日本身体障がい者野球選手権大会では準優勝した強豪チームである。

「たくさんの勇気をもらっている」と話す社会福祉活動では、今江選手の思いを直接伝えている

 「続けると思って始めた」群馬アトムとの交流は、ホームゲームへの招待やオフの交流など10年が経過した。「チームの人たちはハンディを抱えておられます。交流することで、その大変さが和らいで希望を持ってもらえたら、と思っていました。笑顔を見たいと思って始めた交流で、勇気を与えるつもりだったのが、逆に勇気をもらっているんです。プロ野球選手って、やっぱり選手だけで成り立っているわけじゃなく、たくさんのファンやいろんな人たちに支えられているんです。だから社会に恩返しがしたい、と思ってやっています」

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