2024年12月22日(日)

イノベーションの風を読む

2016年3月15日

 米ビジネス・インサイダー社が昨年11月に発刊した調査レポート『The Internet of Things Report』には、「インターネットに繋がったモノがデータを収集して交換するネットワーク」が、かつての産業革命のように世界を変革するだろうと書かれている。

IoTを、製造業の視点から整理

 IoTにはすでに多くのモデルが存在するが、それらがごちゃまぜになって語られることが多い。実は、それらのモデルに「インターネットに繋がったモノがデータを収集して交換する」という曖昧なこと以外に共通することはあまりない。わかっているようで混乱しやすいIoTを、製造業の視点から整理してみた。

 製造業にとって最も理解しやすいIoTのモデルは、工場の工作機械やロボットなどの生産設備をモニタリングして、蓄積された情報から稼働状況を分析して設備稼働率の改善を行うというものだろう(図1)。この場合はモノがインターネットに繋がる必要はなく、セキュリティーの観点からもクローズドなネットワークが利用されている。新しいロボットなどは初めからIoTが組み込まれていることが多いが、工作機械に取り付けられたセンサーや監視カメラなどがゲートウェイを介してネットワークに接続されるケースもIoTとされている。

(図1)筆者作成、以下同

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