足立倫行のプレミアムエッセイ

2016年3月26日

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 ただし、一番弱いメジロやシジュウカラは一番神経が図太い。スズメやヒヨドリは庭に人間がいるだけで逃げてしまうのだが、メジロやシジュウカラは3メートルまで近寄っても平気で食べ続ける。彼らは「街場の鳥」として、体の大きさによるハンディを繊細さと無縁の神経で補っているらしい。

願わくは人間もキジバトを見習いたい

 喧嘩の順番ではトップがムクドリ、次がヒヨドリ(時にオナガ)だが、興味深いのはキジバトの位置だ。キジバトはムクドリ以上の体躯なのにどの鳥とも争わず、平和路線を保つ。(餌は違うが)メジロやシジュウカラとも仲良く食卓を共にできる。

 願わくば人間も、キジバトの姿勢を見習いたいものだ(人間にはムクドリ、ヒヨドリ型が少なくないのでなかなか困難だが)。

 と、冬の間あれこれ野鳥を観察しているうちに、ヒキガエルに対して脇が甘くなったようだ。

 私は別に、ヒキガエルが嫌いなわけではない。小さな池への集中産卵が困るだけで、庭の隅に生息している分には全然構わない。

 蚊や蜘蛛を食べてくれるのでウチの庭の生態系保全に一役買ってくれているはずだし、トノサマガエルやニホンアマガエルの姿を見かけなくなった昨今、ニホンヒキガエルは在来の両生類の貴重な生き残りとも言える。

 まもなく3月も終わる。ということは、今年は卵塊を見ただけで、ヒキガエルそのものには一度も出会わなかったことになる。

 最後に見たのは、手帳によれば昨年の3月20日の朝だった。全部水を抜いた後の池の端に1匹が来てうずくまっており、私と目が合った。

 〈雲を吐く口つきしたり蟇〉 一茶

  
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