足立倫行のプレミアムエッセイ
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2021/07/31 足立倫行
57年前の1964年10月10日、東京オリンピック開会式の日に、私は在籍していた神奈川県立多摩高校の体育館にいた。2年生の柔道部部長。自宅にカラーテレビがなかったので、休日なのに登校し、有志の部員数人(他にバスケット部員らも)と、体育館に…
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2021/07/10 足立倫行
この7月、〈奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島〉(鹿児島、沖縄両県)が、ユネスコの世界自然遺産に登録される。生物多様性保全上の重要地域、という理由だ。私は今回対象になった4ヵ所を取材で訪れたが、真っ先に思い出すのは西表島である。
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2021/06/12 足立倫行
1858年の日米修好通商条約に基づき、対外貿易港として神奈川(横浜)が開港されたのは翌59年7月1日のことだった。開港と同時に横浜には、欧米人伴われて多数の中国人(清国人)がやって来た。
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2021/05/02 足立倫行
日本史の謎を解く上で、太田道灌の存在がとても重要であることを、今年著者インタビューで取り上げた柳瀬博一著『国道16号線「日本」を創った道』(新潮社)を読んで初めて知った。
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2020/10/31 足立倫行
10月に入ると、新たな要因候補が登場した。「ネアンデルタール人遺伝子」説である。ドイツのマックス・プランク進化人類学研修所のスバンテ・ペーボ教授(沖縄科学技術大学院大学兼任教授)らのグループが9月30日に英科学誌『ネイチャー』に発表したも…
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2020/10/10 足立倫行
長引くコロナ禍のせいで心身の不調を訴える人が増えた。解雇や雇い止めにならないまでも、先の見えない自粛生活そのものが家族や夫婦、勤め先や友人との関係に亀裂をもたらし、それが自分に跳ね返ってくるのだ。 この長く辛いトンネルの中で、私たちはどの…
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2020/07/26 足立倫行
夏休みになると思い出す光景がある。小学校低学年の頃、故郷(鳥取県境港市外江町)の海辺でのことだ。島根県の松江市から美保関町まで往復する「合同汽船」という貨客船があり、境水道に面した我が町は定期船の寄港地だった。
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2020/07/05 足立倫行
6月下旬時点の新型コロナの国内感染者は約1万8000人。死者は約1000人。これに対し近年の結核の国内感染者は年間約1万8000人、死者は約2000人なのだ。結核のほうが(あくまで現時点の統計数字だが)2倍も怖い、とも言える。
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2020/06/06 足立倫行
コメディアンの志村けんさんの突然の死は、日本国民にコロナの怖さを刻み込んだ。私は、志村さんの人気復活期に、週刊誌で一度ルポを行ったことがある。
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2020/05/10 足立倫行
日本史における疫病の歴史をたどってみたい。そこから窺えるものは何か? 最初の疫病は、『日本書紀』(以下『紀』)の崇神(すじん)天皇5年条に登場する。
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2020/04/11 足立倫行
新型コロナウィルスのせいで、このところすーっと「巣ごもり」中である。「巣ごもり(または家ごもり)」と言えば、敬愛する江戸中期の俳人、与謝蕪村だ。
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2020/02/22 足立倫行
近所にある、息子が通っていた県立高校が、この3月末で閉校になる。この高校は、娘が通っていた県立高校と併合され新しい名称になっていたのだが、生徒数減少で別の高校と再統合されるのだ。子どもたちの母校の小学校も、閉校した小学校を吸収・再編し、名…
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2020/02/01 足立倫行
昨年末から今年にかけて、オーストラリアの森林火災のニュースをよく見た。近年のカリフォルニアやアマゾンの火災と同じく、地球規模の気候温暖化の具体例と感じたからだ。
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2019/12/28 足立倫行
イチョウやメタセコイアの葉が散った頃、庭の餌台にやってくるキジバト、シジュウカラ、ヒヨドリ、オナガなどの野鳥すべてが恐竜の子孫である。彼ら鳥類こそ、我々人類と共存している恐竜の末裔なのだ。
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2019/12/04 足立倫行
「東西ドイツ」と聞いてすぐに思い浮かぶのは、38年前に訪れた東ドイツ(ドイツ民主共和国)の光景と人々である。その時の私は駆け出しだったが、旅行雑誌に頻繁に記事を書き始めた時期なので、政府招待の記者9名の中に滑り込めたのだ。
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2019/10/31 足立倫行
大阪府の堺、羽曳野、藤井寺の3市にまたがる百舌鳥(もず)・古市古墳群が、今年7月、ユネスコの世界文化遺産に登録された。世界遺産の理由は「古代東アジアの墳墓築造の一つの顕著な類型を示すもの」ということだから、都市の住宅街にあって1600年以…
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2019/09/29 足立倫行
今や当たり前となった温水洗浄便座。「ポットン便所」と言われた時代からは大きな変化がある。秋の夜長に、脱糞処理の歴史と民族多様性について考える。
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