足立倫行のプレミアムエッセイ
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一兵卒にとっての「戦争」とは?
2019/08/31 足立倫行アジア・太平洋戦争において、終戦から敗戦までほぼ全海戦に参加しながら、大破なく生き残ったのが「奇跡の駆逐艦」〈雪風〉。漫画家の水木しげるさんが、南方のラバウルで何度も九死に一生の体験を経た後、昭和21(1946)年3月、三浦半島浦賀に復員…
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2019/07/28 足立倫行
降り続いた長雨のせいか、それとも単に馬齢を重ねたためか、この7月は山田風太郎の『人間臨終図巻(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)』(徳間書店)を眺めて過ごす時間が多かった。この本は、古今東西の著名人の死に方を、医学を学んだ山田が「解剖学者が屍体を見るように」観…
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2019/04/27 足立倫行
今回政府がこだわった「国書」の出典の舞台を検証してみると、必ずしも「(我が国の)悠久の歴史、薫り高き文化」と呼べない様相が見えてくる。
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2019/03/27 足立倫行
実は私が住む相模原市には、宇宙に関するさまざまな学術研究を行うJAXA宇宙科学研究所があり、探査機はやぶさ2をコントロールしている管制室もその中にあるのだ。
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2019/02/22 足立倫行
1月31日に月刊『噂の真相』の元編集発行人の岡留安則さんが71歳で亡くなった。私はそのことを、各メディアへ発表する前日、元副編集長のKさんからの電話で知った。
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国境を越えるということ、私的一考察
2019/01/29 足立倫行メキシコ人の好きな自虐ネタにこんなのがある。「メキシコは天国から余りにも遠く、アメリカに余りにも近い」自国の貧しさを世界一の富裕国に隣接する悲・喜劇性と絡め、嗤っているのだ。私がそのことを思い知ったのは、カリフォルニアから徒歩で国境検問所…
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2018/12/24 足立倫行
母が10月26日に亡くなったので、兄弟3人で相談して納骨日を12月6日に決めた。霊園の管理事務所で諸手続きを終えた後、私は最後に係員に言った。「作業される方がもう墓地に向かってるんですか? じゃあ、ご連絡をお願いします。我々の遺族の希望で…
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2018/11/22 足立倫行
従来の理念や価値観を否定するトランプ流の自国第一主義が、アメリカに止まらず世界各国に広がっている。言語=理性(リベラリズム)の退潮は世界的な潮流であり、「身体」的な自国第一主義の勃興は今後当分の間続く模様だ。どこからどう手をつければいいの…
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2018/10/06 足立倫行
植物の一番の目的は、花を咲かせ種を残すこと。そのために、踏まれて立ち上がるのは余分なエネルギーの消耗だ。それより、踏まれることを前提とした成長の方がいい。これは「弱い植物」である雑草なりの「弱者の戦略」と言える。
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2018/08/21 足立倫行
父は海軍兵学校卒業後、43年9月から終戦まで戦争に参加(44年の比島沖海戦、ミンドロ島突入作戦など)したが、戦争が終わっても新妻(私の母)の待つ境港の実家には戻らず、およそ1年間復員輸送に携わった。
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2018/07/28 足立倫行
今年6月30日、〈長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産〉(長崎、熊本両県)が、ユネスコの世界文化遺産に登録された。新たな地域振興の幕開けとなる明るいニュースであり、誠に喜ばしい限りだ。ただし、今後世界遺産登録地域を訪ねるにあたって留意し…
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2018/07/01 足立倫行
アメフト部の悪質なタックル事件が、いつの間にか大学当局の隠蔽・暴力的な体育会系経営体質の問題にまで発展した日大問題。5月のメディアを席巻したこの日大の組織構造を巡る問題で、50年前の日大闘争を思い浮かべた人は少なくないと思う。
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2018/05/26 足立倫行
「童謡100年」という歴史はしみじみと重い。3~6歳児の半数以上がスマートフォンを日常的に使用しており、「ネット依存」や「睡眠不足」が心配される、というニュースが聞こえてくる昨今、余計にそう感じる。
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2018/04/21 足立倫行
桜の花の咲く頃に、私と妻との新家庭、1974年当時はやり出した言葉で言えば、「ニューファミリー」が始まるはずだった。ところが、3月に入ってから私の肛門周辺の状態が悪化し月末には耐え難い痛さとなり、急遽入院して手術することになった。
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2018/03/25 足立倫行
全国の書店員や各社の新書編集部員などが選ぶ2018年新書大賞に、前野ウルド浩太郎(本名、前野浩太郎)さんの『バッタを倒しにアフリカへ』(光文社新書)が決まった。よく陽に焼けた前野さんは、その時37歳。秋田県出身の気鋭の昆虫学者であり、国立…
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2018/02/22 足立倫行
最初はイヌかと思った。近所の野良犬が、我が家の庭に迷い込んできたのか、と。だが、居間のガラス越しに眺めるとどうもおかしい。顔が間違いなくタヌキなのだ。
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2018/02/06 足立倫行
今年は明治維新150年の節目である。しかし区切りの良い節目なら、50年前の明治維新100年(1968年)があった。その年、私は満20歳の大学生だった。
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2017/12/31 足立倫行
自宅近くの集会所。20畳ほどの和室でマンションの自治会主催の〈普通救命講習〉が行われていた。3班に分かれた参加者は、総勢30名、圧倒的に中・高年である。
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