金子光晴の愛した街

思い返すと、ほんの短い時間訪れただけなのに、いつまでも記憶に残っている場所というのがある。私の場合、マレーシアのバトゥパハがそんな場所の一つだ。

「赤ちょうちん」に人が惹きつけられる理由を知っ…

緑色の間は「食べないで」、赤くなれば「今食べて」というサイン。ところが、哺乳類の大多数はこの赤色を認識することができなかった。なぜならば、恐竜時代の哺乳類の先祖は臆病な夜行性動物だったからだ。

「三太郎」の秘密〜浦島太郎編〜

私はノンフィクションをやっているので、CMの話題でもどうしても実証的に考えがちだ。不明な点を、やけにシツコク追及してしまう。因果な性分だと思うが、仕方ない。

夏休みの遠泳挫折とコンドーム海岸

私とJは、片手を丸太に巻きつけたまま、もう一方の手で平泳ぎを続けた。2人が摑まる表皮のとれた丸太は、長さ2・5メートルほど、直径約20センチ余り。岸を離れてしばらくは、丸太を前へと押し出して泳いで追いついたりしていたが……。

恐るべし、近年のイラン映画

この半年ほどイラン映画にハマっている。アカデミー賞騒動のせいではなく、純粋に現代の映画として面白いからだ。

“はじめての”京都のゲストハウス

京都で法事があったので、久し振りに妻と京都市内に1泊した。法事の後は駅前のホテルで会食をして夕方に解散なので、日帰りでもよかったのだが、妻が「面白いところがあるから泊まろうよ」と前から言っていたのだ。

イカと日本人、スルメイカの不漁に寄せて

スルメイカが記録的な不漁らしい。2000年代以降は年間漁獲量が20万〜30万トンだったが、12年は約17万トン、15年は約13万トンに減少。16年はついに10万トンを切り7〜8万トンになる見込みだ。

転校生の卒業式

桃の花の咲く3月は卒業式の季節である。ただし私の場合、父親の仕事の影響で転校が多く、入学式を体験した学校ですんなりと卒業式を迎えたことは1度もない。

最先端の分子生物学から、まず人間を考える

どうにも気になって後を引き、2度、3度取り出して部分読みをしたのは、中屋敷均著『ウイルスは生きている』。

トランプ大統領とメキシコのクリスマス

私がメキシコのクス玉割り、ピニャータに参加したのは、23歳だった1971年。当時付き合っていたSという女性が住んでいたメキシコ市の下町地区のポサダだった。

「私の家」を巡る断想

人の歴史は、過ごしてきた家の記憶と密接に結びついているはずだ。なのに、不意にリセットされ、元のゼロへと戻る。

「象徴」天皇を作り上げた今上天皇の意思とは？

自らが元気なうちに譲位したい、「生前退位」はできないものだろうか、という国民への語りかけをどう受け止めるべきか？

孫とカニと浜離宮

夏休みの東京スケッチ

寿司と抹茶と将棋が好きな、かなり和風な新中学生は、この日の体験のどれを覚えているだろうか。

日本人のルーツを探ろう

真夏に遠くを眺める

日本人のルーツ探しは、3〜4万年前の前期旧石器時代の壁を乗り越え、その先へと進めてほしい。

「世界一有名な男」と、「まったく無名な男」との…

追悼 モハメド・アリ

ニューヨークのMSGから送られてくる、アリ対ジョー・フレイジャー戦の実況中継を、アリゾナで観戦したのは、1971年の3月8日のこと。

特養に入所した母とのランチ 母がもっとも輝い…

認知症が進んだ母親が特養に入り、2週間に一度ランチのために通うようになった。そんな時、ふと「母がもっとも輝いていたのはいつなんだろう？」と考えた。

360度水平線に囲まれた絶望 21世紀は難民…

地中海のド真ん中での漂流した経験を持つ筆者。貧弱な装備で海を渡る難民に思いをはせる。

ヒキガエルと街場の鳥 庭の中の世知辛い生態系

春到来。まもなく3月も終わる。庭に集うヒキガエルと野鳥たち。彼らの生態系から人間社会のことを考える。

琴奨菊の初優勝 スポーツ界大逆転にみた夢

人間不信や未来への不安を募らせるニュースが多いだけに、スポーツ界の明るさはことさら際立つ。中でも琴奨菊優勝は感慨深いものがある。

妻といく春画展

大盛況の中終わった春画展。還暦をとうに超えた筆者は、同じく還暦を超えた妻と2人、会場へと足を運んだ。そこで目にしためくるめく性の世界とは…。