海野素央のアイ・ラブ・USA

2016年5月11日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

イメージアップのための女性候補

 次に女性候補をみていきましょう。女性蔑視の発言を繰り返してきたトランプ候補は、女性有権者に対してイメージアップをする必要があります。

 まず注目されるのが、スサナ・マティネスニューメキシコ州知事です。マティネス知事は、女性、ヒスパニック系、激戦州の3点を備えています。同知事の副大統領候補選定には、トランプ候補が移民政策においてタカ派で、異なった人種や民族を嫌悪しているというイメージを弱めるメリットがあります。トランプ候補の弱点である女性票及びヒスパニック票の双方を獲得できるというメリットも生まれます。

 米メディアの間では、マーシャ・ブラックバーン下院議員(共和党・テネシー州)の名前も挙がっています。ブラックバーン下院議員は、下院エネルギー商業委員会の副委員長を務めています。同下院議員は、女性に低価格で医療サービスを提供する非営利団体「プランド・ペアレントフッド」が、胎児の細胞を不正に販売していたという疑惑に関する調査の急先鋒に立っています。

 筆者が活動をしていたミシガン州デトロイトにあったクリントン選対では、プランド・ペアレントフッドのスタッフが会員に対して、クリントン支持要請の電話を連日入れていました。クリントン候補とプランド・ペアレントフッドの関係が密であることが窺われます。共和党は、プランド・ペアレントフッドを選挙戦における攻撃材料として活用していることは明らかです。その中心的な役割を担っているのが、ブラックバーン下院議員なのです。

 もう一人、トランプ候補の副大統領候補としてメディアが取り挙げている女性知事を紹介しましょう。ニッキー・ヘイリーサウスカロライナ州知事です。同知事は、インド系の女性で反オバマ色の強い保守系市民団体「ティーパーティー」の支持を得ています。テレビ映りも抜群で、今年行われたオバマ大統領の一般教書に対して共和党を代表して反対演説を行っています。

 ただ、サウスカロライナ州共和党候補指名争いで、ヘイリー知事はマルコ・ルビオ上院議員(共和党・フロリダ州)を支持し、選挙期間中行動を共にしました。トランプ候補が、ヘイリー知事を副大統領候補に希望する場合、同知事を説得できるのかが注目点になってきます。

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