「使える部下」になっていくために……
私は記者たちに、「すまないが、取材はやめてくれ」と言いました。しかし、彼らは納得しない。言い争いもしましたが、みんな真剣に取材をしていましたから、腹が立つのも当然です。私は彼らのことを「使えない部下」とは思いませんでしたね。
1つの仕事をしただけで、部下を「使える」「使えない」と判断するのは難しい。週刊誌ではあまり冴えなかった編集者が、書籍編集部に異動となりました。相手の懐に飛び込んで本を書かせることは得意で、ずいぶんと活躍をするようになりました。人事異動をきっかけに、光る人材になることもあるのです。
「使える部下」になっていくためには、得意な分野を持たなくてはいけない。週刊誌にしろ、月刊誌にしろ、少なくとも2~3年で得意ジャンルをせめて1つは持ちたい。そうでないと、活躍の場を失い、先が厳しくなります。
「変わった部下」たち
「変わった部下」はいましたね。30代前半の優秀な女性編集者がいたのです。頭はよくて優秀で、処理能力は抜群に高い。だけど、少々、気が強かった。こういう女性には、うかつなことが言えないでしょう?「セクハラだ!」なんて騒がれると困りますから……。
私が彼女の顔を見ることなく、原稿を渡していたら、「私の目を見てください!」と叱られてね……(苦笑)。人間の機微がわからないのかなあ……。今は海外で働いていて、時折、メールを送ってくれます。返信をしないと、叱られるからね……。
「M」(マゾ)であることをカミングアウトする男性編集者もいました。あるとき、2人で酒を飲んでいたら、「上司に叱られるのが、うれしい」と言うのです。前々から、そんな感じがしていましたが……。彼は「女の人に罵倒されると興奮します」とカミングアウトしました。あんな男もいるのですね……。今は、真面目な経済誌で活躍しています。