世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年5月30日

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 これは欧州とロシアの関係を風刺の筆致で描いた解説記事です。現状はここに描かれたようなことかと思います。

対話は宥和策に堕する危険と隣り合わせ

 4月20日、NATO・ロシア理事会(大使級)が2年振りに開かれましたが、何の成果もなく終わりました。会合の後、ストルテンベルグNATO事務総長は「NATOとロシアには重大な意見の不一致がある。本日の会合がこれを変えることはなかった」、「ロシアが国際法の遵守に立ち戻るまでは、実質的な協力に立ち戻ることはあり得ないことをNATO加盟国は確認した」と述べました。

 ウクライナ情勢は当然のこととして、先週、バルト海で発生した米海軍の駆逐艦USS Donald Cookおよび米空軍の偵察機RC-135に対するロシア戦闘機の危険で悪質な行動との関連で、軍事面での透明性の向上とリスクの抑制のための方策が会合の注目点でしたが、なんら進展はなかったようです。

 この記事は、NATOとロシアとの間に対話が成立しないこと、対話の材料を探すことが難しいことを指摘して、これは危険だと言っています。しかし、この状況を作ったのはロシアです。対話が行われることは結構ですし、対話自体はロシアに報賞を与えるものではないという議論は可能ですが、気を付けないとロシアにつけ込まれます。その危うさはシリア情勢に関するロシアとのやりとりに看取されます。無理をして対話を形作ることは宥和策に堕する危険と隣り合わせです。

 なお、この記事の題名「Quantum of silence」は007のアクション映画「Quantum of solace」をもじったものかと思われます。

  
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