街で金日成、金正恩を称賛し、韓国政府転覆を訴えても処罰できなくなる。なぜなら差別禁止法が守ってくれるからだ。そして全教組(全国教職員労働組合)が子供たちに従北思想を教えても批判すらできなくなる。それを批判したら差別禁止法によって処罰されるからだ。今振り返ってみるとゾッとする発議案だった(2013年 4月韓国のネット上に公開された内部告発者による暴露話より)。
現在も北朝鮮と軍事的な緊張関係にある韓国には国家保安法という法律が存在し、北朝鮮体制の称賛および交流、接触を禁止している。古くから左翼にとっては最も邪魔な存在だったが、これを無力化することが差別禁止法の本当の狙いというのだ。これは私の個人的な推測や意見ではない。武器を用意し国家転覆を謀り「内乱扇動」の有罪判決を受けた反国家団体の3年前の内部計画だ。
「嫌悪」を利用する人たち
3年も前の話だが、最近の状況に合わせて考えてみると頷ける部分が少なくない。今回韓国で起きた殺人事件を「女性嫌悪犯罪」と主張する人たちについて、改めて見直してみると彼らは実は「一般市民」などではなく、左翼政党の青年幹部だったり、左翼団体に所属していること。そして彼らは過去反政府デモ、国定教科書反対運動など女性運動とは関係がない政治活動に参加してきた。彼らの遍歴と正体がネット上で囁かれ始めると、さすがに彼らの真の意図を疑う声が上がってきた。
最近、韓国だけではなく日本でも「嫌悪(ヘイト)」という言葉が流行っている。世の中どこにも嫌悪を無くすことに反対する人はいない。しかし、「嫌悪(ヘイト)反対」「嫌悪(ヘイト)を無くそう」を訴える人の中には、強引な解釈ですべてを「嫌悪」のせいに結論づけようとする人たちがいて、彼らはむしろ自分たちと思想、政治的意見が違う人たちに「ヘイトスピーカー」というレッテルを貼ることで、逆に人々の憎悪の対象となるように煽っているケースが少なくないようにみえる。ここで「嫌悪」という流行語についてもう一度考えてみたい。
彼らが本当に除去したいと思うのは「嫌悪」なのだろうか。それとも強引な解釈でヘイトスピーカーというレッテルを貼った「反対勢力」なのだろうか。
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