2024年11月24日(日)

古希バックパッカー海外放浪記

2016年9月25日

韓国チームはパク牧師夫妻

夕食前の交流会

 ボランティアスタッフが「ディナーの前に巡礼者交流会をするので都合が良い人は集会室に集合してください」とゲストに呼びかける。集会室に20人くらいが大きな輪をつくってパイプ椅子に座った。司会役が自己紹介してから、各自順番に名前、出身地、巡礼の理由・目的を話すように促した。だいたい英語でしゃべっているが、英語が不得意な人は自国語で自己紹介している。

 私は「定年退職後に世界各地を旅してきました。世界中の旅行者からサンチアゴ巡礼の素晴らしい経験を聞いて大変興味を持ちました。これからの人生をどのように生きるべきか考えるために巡礼をしています。同時に、私は仏教徒ですが、巡礼を通じてヨーロッパの歴史・文化の基盤となっているキリスト教に対する理解を深めたいと思います」というような話をした。

 聞いていると純粋にキリスト教の信仰上の目的で巡礼している人は皆無であった。殆どの人が自分を見つめ直す、人生を考える、自然に親しんで心身を鍛えたい、歴史文化に興味があるというような趣旨を述べていた。

「人生を楽しむために早期退職するのは当然」?

イタリアチーム。赤いシャツを着ているのがアリーチェ(左)、ジュリア( 右)

 夫婦で参加していた米国の中年男性が「今年リタイヤしたが今後の人生で何を為すべきかを考えるために巡礼に参加した」と私と同じような発言をした。

 交流会の後で彼と話したら「航空機エンジンの製造会社で技師として働いていた」という。若く見えるので聞いたら52歳とのこと。なぜそんなに早く退職した(early retirement)のか不思議に思って尋ねると「Happy Retirementするために頑張って働いて充分な資金を稼いだんだから早期退職するのは当然じゃないか」と胸を張る。

 そして「お互いに退職して時間があるんだから好きなことをして人生を楽しまなきゃだめだよ」とのご託宣。私は価値観・人生観を同じくする同志に会えたようで嬉しかった。日本の社会ではしっかりと蓄財しても“ポジションにしがみついて引退しない”のがふつうである。また残念なことに年金問題により“働かないと老後が不安“という現実もある。


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