8人が円陣を組んでヒソヒソと相談してから前を向いて航空機エンジンの技師が音頭を取って歌いだした。“私を野球に連れて行って”(Take Me Out to the Ball Game)を高らかに合唱。
次は韓国チームが指名された。パク牧師夫妻が壇上に上がり一礼。そして牧師の見事な朗々としたテノールに奥様が控えめに合わせて素晴らしい韓国民謡“アリラン峠”となった。客席からブラボーの声が飛んだ。
そのあとはイタリアの5名の男女が肩を組んで“帰れソレント”を熱唱して会場を沸かせた。それにオランダのおばさん2人組がつづきオランダ民謡を披露。続いてブラジルのお兄さんがボサノバの名曲“イパネマの娘”を情感込めて熱唱。お兄さんは顔に似合わず甘い声で軽快なリズムで歌い上げ会場が盛り上がる。
それからバーバラがフランスチームを紹介すると、待っていましたとばかりに8人が登場して“オー・シャンゼリゼ”を大合唱。国別歌合戦は最高潮に。
国別対抗歌合戦の“トリ”はなんとチーム・ジャパン!
最後にバーバラに指名されて壇上に上がる。ミドリさんが「私たち“五木の子守歌”を歌いたいの。いいよね」と有無を言わせぬ調子。そしてサトさんが「タカさん、適当に英語で皆さんに歌詞の意味を紹介してくださいよ」と指示してくる。
仕方ないので仰せの通り「紳士、淑女の皆さま、日本チームは“五木の子守歌”(Lullaby of Itsuki)を披露します。この子守歌は日本の南の地方の田舎で数百年前から歌われてきた民謡(folk song)です。どうか皆さまが今晩ぐっすりとお休みになりますように」と挨拶。
オーさんの音頭で♬おどま盆ぎり盆ぎり♬と歌いだすと3人は日頃から歌っているのか見事なハーモニー。フランスチームが賑やかに歌ったあとだけにしっとりとした日本民謡が珍しいのか歌い終わると満場の拍手喝采。日本代表チームの面目躍如の各国対抗歌合戦であった。
⇒第15回に続く
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