2022年9月26日(月)

定年バックパッカー海外放浪記

2016年10月9日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

橋を渡ればポンフェラーダ市街。左が歩行者・自転車専用の「中世の橋」、右が自動車専用の「現代の橋」

 学生たちは知的好奇心が旺盛で国際的視野も広く、日本人の元サラリーマンである私に対して興味津津である。私の現役時代の経験や元ビジネスマンとしての考え方を聞きたいようだ。食事をしながら様々なトピックスについて議論。

朝の静寂のなかに聳えるポンフェラーダの城塞

 最初はやはり彼らの喫緊の問題である就職問題。韓国では韓国経済の低迷を反映して大企業への就職は激烈な競争となり“狭き門”という。韓国では大企業は指定校制度といって一定の有名大学出身者だけを採用するケースが多いが、ここ数年は採用人数が少ないので有名大学出身者でも安閑としていられないようだ。

 日本の事情について「最近では自分の専攻分野、得意分野を生かしたいという動機から大企業だけでなく成長企業やベンチャー企業にも応募する学生も増えている」と説明したら、「韓国では官庁・大企業に就職することが人生の成功というのが社会常識であり、有名大学の学生が成長企業やベンチャー企業に就職したら人生の失敗と見なされます」と反論。

 そのあとは格差問題。韓国でも格差拡大は深刻な社会問題という。さらに米中関係、地域紛争と国連の役割、などなど議論は多岐にわたる。

偏向報道を鵜呑みにしている学生たち

小さな村の教会。鐘楼の上部にはコウノトリが営巣

 学生たちは私を通じて諸問題に関する“ふつう”の日本のビジネスマンの率直な意見や認識を聞き出すことを期待しているようだ。彼らにとり絶好の機会なのであろう。

 食事が終わってからも残った赤ワインを飲みながら話題は尽きなかった。話題がアベノミクスから改憲問題になった。なぜ改憲する必要があるのかという質問に「北朝鮮の核問題、中国の海洋進出問題に迅速に対応するためには同盟国と共同して行動する必要があるからだ」と回答すると、「日本からの報道では日本国民の大多数が安全保障法案反対で毎日デモをしている。それでも改憲するというのは政府が帝国主義・軍国主義の復活を望んでいるからですか」と一人が切り返してくる。さらにもう一人が「韓国や中国は大変懸念しています。いまや世界中が日本の右翼復活を深刻に心配しています」と畳みかけてくる。彼らは韓国国内の偏向報道を鵜呑みにしているようだ。

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